鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

やさしい人が社長の会社はもめる?

[要旨]

実態として、やさしい性格の人が社長を務めている中小企業はもめごとが起きやすいようです。一方で、怖い性格の人が社長を務めていると、もめごとが起きにくいようです。だからといって、社長は怖い性格が適しているとは言えませんので、組織の成熟度を高めることが大切です。


[本文]

先日、弁護士の向井蘭さんが、向井さんのポッドキャスト番組で、やさしい人が社長を務める会社は、深刻な労使紛争が起きる傾向にあるとお話しておられました。私は、直接的に、そのような事例は見たことはありませんが、やはり、やさしい人が社長を務める会社は、もめごとが多いという印象を持っています。一般的には、社長がやさしければ、従業員の方たちとも和気あいあいとした関係を構築できるような感じもするのですが、現実は、社長が怖い人の方が、統率がとれているようです。

これは、恐らく、そんなに深い事情があるというよりも、怖い社長は従業員の方たちが、反発しにくいという単純な理由なのだと思います。というのも、中小企業の多くは、リッカートのシステム4理論の、システム1かシステム2のリーダーシップで会社が動いているからなのでしょう。でも、リッカートも述べているように、システム3、システム4の方が、業績が高い会社が多いということを考えると、システム1や、システム2の会社は、リーダーシップの型を変えて行く方が望ましいと、私は考えています。

私は、組織が未成熟なときは、システム1やシステム2のようなリーダーシップをとることは仕方ないと思うのですが、それは労使紛争などが起きにくくなるという効果もあるということを、向井先生のお話を聴いて、改めて感じました。でも、このことを言い換えると、社長がやさしい人であっても、組織が成熟すれば、システム3やシステム4のリーダーシップの型でうまく組織が機能することになるということでもあると思います。そういった観点から、組織の成熟度を高めることは大切だと思います。

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