鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経理規定で透明性を高める

これは、知り合いの経営者から聞いたお話

です。


ある決算期に顧問税理士から届いた決算書

を見たら、役員貸付金が数百万円になって

いた。


その要因は、社長が会社の経費となると認

識して支出していたものが、決算の段階で

税理士の方が経費にならないと判断したも

のを役員貸付金として計上していた。


もし、こんな金額になるのであれば、決算

を過ぎてから、勝手に役員貸付金として処

理するのではなく、その都度指摘して欲し

かった。


また、もし、その都度指摘してもらう機会

があれば、こちらの言い分を税理士の方が

理解してくれて、経費になったものもある

と思う、というものでした。


そして、その経営者の方は、役員貸付金を

減らすために、毎月、役員報酬から一部を

役員貸付金の減額に充てているということ

でした。


このようなことになった最終的な責任は、

経営者自身にあると私は思います。


しかし、私が、会社をご支援する同じ専門

家として感じることは、もし、私の顧問先

から同じような不満を持たれたら、それは

専門家として、恥ずかしいと感じることで

しょう。


経営者の方は、経費にならないものを会社

の経費として支出してしまうことがある可

能性があることは十分に予見できるわけで

すから、そうであれば、事前にそれを防ぐ

よう助言する機会はあったはずです。


決算においても、経費にならないと思われ

た支出を役員貸付金として計上するという

結果だけを事後的に伝えるということも、

さらに不満を感じさせてしまうことになり

ます。


このような、あまり親切でない税理士の方

は、私の知っている税理士の方の中にはい

ませんし、極一部の方だと思いますが、機

械的な対応をされた顧問先の会社は、事業

に悪い影響が出ることになると思います。


このようなことを防ぐには、経理規定を作

ることです。


経理規定によって、どのような支出が会社

の経費になるかが明確になります。


ただ、経理規定を作っても、人によって解

釈が異なる場合もあるので、100%正し

経理ができるようになるわけではありま

せんが、前述の経営者の方のような不満は

なくなるでしょう。


また、経理規定があれば、従業員の方から

見ても、会社の支出の透明性が高まり、不

公平感がなくなるという効果があります。


ちなみに、経理規定についてではありませ

んが、ルールの大切さについて、以前、社

会保険労務士・行政書士の寺内正樹先生に

ポッドキャストでお話しいただいておりま

すので、ご関心のある方は、寺内先生のお

話もお聴きいただければと思います。


(ご参考→ https://goo.gl/1V7rHa


今回の記事の結論は、効率的な組織運営に

は、ルールが欠かせないということです。


会社経営において経営者の方が労力を割く

多くの部分は、組織運営です。


会社が創業して間もない時期は、経営者と

従業員の間では阿吽の呼吸で組織がまわり

ますが、組織が大きくなにつれて、それで

は組織がまわらなくなります。


そうなるときに備えて、早い段階でルール

を作っておくことをお薦めします。


もちろん、私が事業改善のお手伝いをする

ときは、このルール作りを最初のステップ

にしています。

 

 

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