禅宗の有名な教えに啐啄同時(そったくど
うじ)というものがあります。
(ご参考→ https://goo.gl/yRdb9u )
このことばはすでに多くの方がご存知と思
いますが、あらためて簡単に説明すると、
鶏の雛が卵から出ようとしているときに、
殻の中から卵の殻をつつくタイミングと、
親鳥が外から殻をついばむタイミングが同
時であると、卵の殻がうまく割れて、雛が
卵の中から出ることができるということか
ら、師弟の関係においても、手を差し出す
側と手を伸べる側の意思がかみ合うと、よ
い結果が得られる例えとしてを示されるも
のです。
ここで、今回の記事の結論が分かると思い
ますが、コンサルタントだけががんばって
も、コンサルティングを受ける側に、会社
をよくしようという意思がなければ、よい
結果が出ないということです。
このように書くと、上から目線のように受
け止められてしまうかもしれませんが、私
受けていて、計画通りに自分の構想を実現
できておらず、自分にも当てはまることだ
と感じています。
私にお手伝いを依頼してくる経営者の方の
多くも、当然のことながら、自社を改善し
たいと望んでいます。
しかし、それがうまく実現しないとき、そ
の要因のひとつとして、会社をよくするた
めの準備や体制が十分でないということが
多いと感じています。
これも多くの方がご理解されていることで
はありますが、事業をよくしようとすると
きは、いままでと同じことをしていては、
改善はできません。
私の場合は早起きをして、その時間を改善
活動にあてたり、新しい知識を得るための
勉強をしたりします。
ところが、このちょっとしたことがなかな
かできないので、頭では会社をよくしたい
と願いつつも、いつまでも会社はかわらな
いでいるということは珍しくありません。
そのような時、これは少ない例ですが、
「コンサルタントを雇ったのに、何も改善
しなかった」という不満を口にする方もい
ます。
話はそれますが、私が事業改善のお手伝い
を始めるときは、その相手の方には「事業
を変えるのは、コンサルタントではなく、
あなたです。
私は、事業を改善しようとするあなたを
しっかりお手伝いさせていただきます」と
お話しして、ご理解いただけた時にお手伝
いをお引き受けしています。
ただ、残念ながら、そのうちの何割かは、
従来のお仕事のやり方を変えられず、事業
改善も望めないことから、お手伝いを辞め
ることになることもあります。
話を戻して、冒頭で述べた通り、事業改善
は、他者に改善してもらうのではなく、自
らが主体的に臨まなければならないという
ことが、今回の記事の結論です。
これは至極当然のことなのですが、私も含
めて忘れられがちなことなので、今回の記
事に取り上げました。
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