鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

月次決算の薦め

私は、事業改善をお手伝いしている会社の

方に、月次決算をお薦めしています。


これは、自社の状況をタイムリーに把握

することで、仮に自社が赤字になっていた

場合に、それを直ちに改善して、赤字額が

大きくなったりすることを防ぐことが

最大の目的です。


ところが、これもこれまでに何度も述べて

きましたが、この月次決算を行う会社は

本当に少数です。


さらに、月次決算を行っていても、2~

3か月経たないとできあがらない会社や、

作成されても事業改善のために活用して

いない会社が多くあります。


私が、月次決算を行いましょうという

意図は、スピーディに事業改善をすると

いうところまで含まれているので、月次

決算を事業改善のために活用している

会社は、本当に少数だと思います。


そのような会社の経営者は、得てして、

決算日が過ぎて1か月程度が経過した

ところで、税金の申告のための手続きを

している税理士の方から、実は会社の

状況は赤字になったということを知ら

されるということになりがちです。


せっかく、日々、事業に熱心に取り組んで

いるのに、その結果が赤字ということに

なっては、日頃の努力が報われないことに

なってしまいます。


したがって、早い段階で事業改善に取り

組むべきだということは多くの方が当然と

感じることだと思います。


しかしながら、それを実践できていない

大きな理由は、月次決算を行う負担が

大きいということと、事業の改善のために

月次試算表をどのように活用すればよい

のかということが分からない方が多い

のだと思います。


月次決算の負担については、最近は、

クラウド会計が普及してきているので、

かつてよりはだいぶ負担は軽減して

いると思います。


ただ、そうはいっても、データを収集

する

体制を整えることは、創業して間もない

会社や、規模の小さな会社では、負担と

感じているようです。


これについては、詳細な説明は割愛

しますが、グループウェアなどを活用

すれば、おおよその月次決算を行う

ことができます。


具体的には、各部署で、販売した金額や

仕入れた材料費などエクセルで集計し、

経理部でも固定費をおおよその見積もりを

集計すれば、翌月の2~3日には前月の

収支状況を把握できます。


そして、それらのデータの活用法に

ついても、あまり時間をかけずに習得

することができます。


私の場合、まず、会社の売上高などに

ついて中期計画を建て、つぎに、そこ

から、今年度の月次計画を建てます。


そして、単月の計画と実績の乖離や、

会計年度初月からの累計の計画と実績の

乖離を確認し、その乖離の要因を分析

して、対応策を考案するという方法を

顧問先に提案しています。


この説明でわかるとおり、複雑なこと

ではありませんが、毎月続けるという

ことと、対策を考えるということを

積み重ねるだけでも、成り行きで事業を

続けている場合と比較して、業績の差は

大きく広がります。


今回の結論は、月次決算は、簡単なこと

なので、実践すれば少なくとも赤字に

陥ることを防いだり、または、赤字額を

縮小したりすることができるということ

です。


ただし、このことを薦めているコンサル

タントや専門家の方は少ないようです。


コンサルタントというと、どうしても、

派手な手法を教える人というイメージが

強いのでしょう。


地味な活動ですが、月次決算の活用に

より、基盤を固めておかなければ、派手な

戦術も実践できなくなります。

 

 

 

 

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