以前、作家の本田健さんのセミナーで
本田さんが、「知人の女性で、夫が、
歯みがき粉のチューブのふたを閉めない
ことが原因で、離婚した人がいた」と
お話ししていました。
もしろん、本当の離婚の原因は、
夫婦の間で、がまんできないことが
たくさんあり、たまたま、歯みがき粉の
ふたを閉めなかったことが引きがねに
なって、妻が、離婚の決断をしたと
いうことだと思います。
夫婦の間のことは、個別のことですので、
これがよいかどうかは述べることは
できませんが、世の中には、なかなか
がまんできないことがたくさんあると
思います。
特に、会社の経営者の方は、毎日、
がまんを強いられていることでしょう。
社長という大きな権限を持っている
にもかかわらず、会社の中で最も
意見を述べることができない立場で
あり、最も大きながまんをしなければ
ならない立場でしょう。
これを言いかえれば、経営者の方は、
どれくらいがまんできるかということが、
経営者としての巧緻として現れてくるの
かもしれません。
ところで、米国の経営者であり、
「経営者の役割」の著者のバーナードは、
その著書の中で「無関心圏」という
考え方を示しています。
厳密には、無関心圏は、上司から受けた
命令のうち、疑義なく受け入れることが
できる範囲のことであり、経営者は、
従業員の無関心圏を広げるよう努める
ことが大切だと、バーナードは説いて
います。
バーナードの述べている本来の無関心圏
とは意味が少し違ってきますが、経営者に
ついても、この無関心圏を広げることは
大切だと、私は思っています。
私は、そのひとつの方法は習慣づけだと
考えています。
その例として、鍵山秀三郎さんは、毎日
トイレ掃除をした結果、精神力が強く
なりました。
トイレ掃除と精神力の因果関係は、私は
明確にできませんが、毎日、人がやりた
がらないことを続けるということが
何とも感じなくなるということが、
精神力を強くしていくのではないかと
思います。
風潮が強いようですが、即効性のある
ものは、やはり脆いものでしかないで
しょう。