鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

従業員の方の意見を聞き入れる

従業員の方に対して「自立的に活動しないし、仕事については何も意見を言ってこない」という経営者の方は少なくありません。そのような悩みを持つ経営者の方がいる一方で、従業員の方にいきいきと働いてもらうことに成功している会社もあります。そのような会社の特徴は、従業員の方の意見を聞き入れていることです。

このように書くと「従業員の意見ばかりを取り入れたら、会社はつぶれてしまう」と反論があるかもしれません。その一方で、そのような方が「従業員は何も意見を言ってこない」と思っているとしたら、それは自己矛盾しているでしょう。すなわち、「従業員は何も意見を言ってこない」と思いつつも、実は「従業員は自分にとって『都合のよい意見』を言ってこない」と思っているということになるでしょう。

話を戻すと、従業員の方の意見を取り入れるといっても、その意見が我田引水のようなものであることはめったにありません。例えば、QCサークルなどを活動をしてもらえば、従業員の方も会社の事業発展のためにどすればよいのかということを第一に考えて活動をするようになります。

そして、そこで大切なことは、そのような活動に対して成果を求めることを第一の目的としないということです。第一の目的は、従業員の方が事業発展のために考えることを身に付けるということを第一の目的とすることです。もし、成果を求めてしまうと、QCサークルなどは成功しません。でも、結果として、そのような活動は事業発展に大いに役立つはずです。

最後に、もうひとつ付言するとすれば、経営者の方は、従業員の方が何を言ってもその意見を聞くことです。ただし、意見を聞いたからといって、それを必ずしも受け入れる必要はありません。従業員の方からみて、社長は自分の意見を聞いてくれる人だと感じてもらうことです。もし、従業員の方が社長に意見具申して、反論されたり、口では反論しなくても不機嫌になると、従業員の方はそれ以降、自分の考えは口にしなくなります。

そして、従業員の方が口にする意見は、ときには経営者の方から見て他愛もないこともあるでしょう。でも、意見の中身がどうかということよりも、意見を言ってもらったことそのことを評価するようにするとよいと思います。そういう会社は、組織としての結束力が高まり、強い組織になっていくことでしょう。

 

 

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