鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

例外業務

私が銀行に勤務し、約10か年は営業店の

渉外部門で働いていました。


その後、本社に異動となり、事務部門に

配属されました。


渉外部門から事務部門への異動は、よい

ことであるとは思うのですが、例は少ない

異動でした。


ところで、会社で、新しい施策を始める

ときなどは、まず、本社で、複数の関係

する部署の職員が集まって、その施策を

実行するときに問題がないかといった

ことを前もって検証することが行われて

いました。


もちろん、リスクが高いことが見込まれる

場合は、そのリスクを小さくするにはどう

したらよいかといったことが話し合われ

ます。


そういった対立の典型例は、営業部門と

事務部門の間の対立です。


営業部門は、これくらいのことは問題は

ないと考えていても、事務部門は、その

ことが原因で銀行が損失を被るかもしれ

ないと考えていて、両社の間で議論が

行われます。


これは、どんな会社でも見られること

だと思いますが、そういう場合、多くは

営業部門の意見が通ってしまいがちです。


当時、比較的年齢の若かった私は、

そういった打ち合わせの場で、あまり

発言する機会は得られなかったのですが、

営業部門を経験していたものとして、

打ち合わせでの営業部門の主張は

ちょっとわがままでは?と思うことが

しばしばありました。


ただ、事務部門の上司は、事務部門の

経験しかない人が多かったので、

営業部門の主張に押し切られることが

多くありました。


もし、営業部門の手の内をわかっていた

私に発言させてもらえれば、「貴部の

ご意見は、こうすることで解決すると

思います」と反論できたのに、と思う

ことも多くありました。


自分の経験について書くことは、ここ

までとして、営業部門の意見という

ものは、その多くは、顧客の要望に

多く従いたい、そうでないと、取引が

続かないという恐れが起因していると

思います。


私も、渉外活動をしていたときは、

顧客との取引を失いたくないとの思い

から、何度も顧客の無理を聞き入れた

経験があります。


しかし、それは、あまり好ましくない

ということも感じていました。


というのは、顧客のいいなりになって

ばかりいると、例外的な業務が増えて

しまい、取引の採算を得にくくなって

しまう可能性があるからです。


銀行を含め、専門サービスを提供する

会社は、不特定多数の人たちを相手に

取引するために、定型的な業務を行う

必要があります。


だからこそ、低いコストで安定的な

サービスを提供できます。


もし、ひとりひとりの顧客の要望に

応じていれば、最終的には、その

顧客の従業員と同じコストがかかる

ことになってしまいます。


ですから、例外的な仕事は極力避けな

ければなりません。


営業部門としては、目の前の顧客を

重視する傾向がありますが、長期的に

採算がえられるかどうかという視点で

取引をするかどうかを判断すべきと

いうことは言うまでもありません。


そのような配慮を持つ人が増えれば、

営業部門と管理部門の打ち合わせで

大きな議論となることもなくなる

ことでしょう。

 

 

 

 

 

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顧客とのコミュニケーション

経営コンサルタントの木戸一敏さんが、

木戸さんのポッドキャストで次のような

ことをお話しされておられました。


(ご参考→ https://goo.gl/VwBBdW


すなわち、木戸さんがリフォーム会社の

社長だったころ、夜勤のある顧客から、

家のリフォームを依頼された。


リフォームの進捗状況を報告したり、

要望をきいたりしたいことがあったが、

その方が夜勤があるために、電話などを

かけることを躊躇し、連絡が疎遠に

なった。


その結果、その顧客から苦情が出る

ようになった。


そこで、その後、顧客から叱られる

こととなっても、顧客に連絡するよう

努めたところ、その後の関係は改善

した、というものです。


私も営業マンの経験があり、木戸さんの

この経験には思い当たることがあります。


営業マンとしては、顧客の機嫌が悪く

なることを避けたいという気持ちが

働き、その結果、会ったり電話したり

することがなければ、叱られることも

ないため、意思疎通が疎遠となり、

さらに関係が悪化してしまうという

ことになりかねません。


とはいえ、私も営業マン時代に、顧客から

逃げてばかりいては、いつまでたっても

何もよくならないと気付いていたこと

から、叱られることを覚悟で顧客に会う

ように努めていました。


そうすると、顧客も私の覚悟を察してか、

それほど叱られることは多くありません

でした。


むしろ、それがきっかけで関係が深まる

こともありました。


また、こちらは消極的な対処法ですが、

少なくとも「六角からはまったく連絡が

来ない」と言われないように、訪問して

不在だったり、会えなかったときは、

手紙を書いて置いてくるということを

していました。


もともと取引を進めようとしていない

顧客は、相手から何らかの落ち度を

見つけ出し、それを理由に取引を

断ろうとしているわけですから、

少なくとも「連絡がなかったから…」

とは言われないようにしていました。


結論としては、顧客とのコミュニケー

ションを絶やさないことは、その

コミュニケーションによって何かが

伝わっていることが大切なのではなく、

コミュニケーションを維持していると

いうことが大切だということです。


これを、裏を返して言えば、自社と

コミュニケーションが維持できていない

顧客からは、「あの会社とは疎遠になって

しまったので、もう自分のことを顧客とは

思っていないのだろう」と思われてしまう

ということです。


今回の記事も、私が指摘するまでもなく、

多くの方がご理解されていると思い

ますが、連絡が疎遠になって関係が

切れてしまうという例は多く見ています。


もちろん、利益の少ない顧客、採算の取れ

ない顧客とは取引を解消することは問題は

ありませんが、利益の見込める顧客を、

連絡が疎遠になることで失うことは避けな

ければなりません。


私のようなものの経験で恐縮ですが、

いずれ顧客との取引を失ってしまう結果と

なるのであれば、何もしないで失うよりも

顧客に会いに行った上で叱られて失うこと

の方が、少なくとも自分にとってより良い

結果を導くきっかけになるのではないかと

思っています。

 

 

 

 

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同床異夢を抜け出すには

「同床異夢」というのはちょっと大げさ

ですが、私がフリーランスになった

ばかりのころは、よく、数人の人たちと

共同で事業をしようという話で盛り上がる

ことがよくありました。


私の場合、中小企業診断士でしたので、

中小企業診断士の人たち同士といっしょに

事業を進めようとしたり、税理士や社会

保険労務士の方たちともいっしょに事業を

進めようとしたりしたこともありました。


しかし、それらはうまく行きませんでした。


なぜかといえば、しっかりと役割分担を

決めていなかったからです。


複数の人で集まった時は、「これを皆で

いっしょにやったらうまくいきそう」と

話が盛り上がるのですが、そういう

ときは、おのおの自分に都合のいいように

しか考えていません。


実際に始めてみると、皆、自分のやりたい

こと以外はやらず、残った面倒な仕事は

誰もやらないので、結局、失敗に終わって

しまいます。


実は、このようなことは、私が会社勤務

時代にも経験しています。


会社員時代は、よくあることですが、

特定のプロジェクトを実行するときに、

複数の部から従業員が選抜されて

プロジェクトチームが結制されることが

しばしばありました。


とはいえ、プロジェクトチームに

加わっても、メンバーはそれぞれ、本来の

所属部の仕事も抱えているので、時間に

余裕があるわけではありません。


ですから、プロジェクトチームでは

メンバーの間で仕事の押し付け合いが

起きてしまいがちです。


そこで、プロジェクトチームを組むときは

最初にしっかりと役割分担を決めることが

求められていました。


ここまで記事を書いてきて、私は、

イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんの

言葉を思い出します。


鍵山さんは、「社長の仕事」として、次の

ように述べておられます。


「社長現役時代の私の仕事は、会社の基本

方針を示すことと、底辺の仕事を受け持つ

ことでした。


中間の仕事は、すべて社員に任せてきま

した。


基本方針とは、『うちの会社はこうあって

ほしい』とか『社員はこうあってほしい』

というようなことです。


底辺の仕事とは、掃除とか洗車、後かた

づけ、倉庫の整理整頓といったようなこと

です」


すなわち、会社の基本方針を決めるという

最も重い仕事と、掃除や後かたづけという

誰もやりたがらない仕事が社長の仕事

ということです。


先ほど、プロジェクトチームについて述べ

ましたが、プロジェクトチームもひとつの

会社と考えれば、リーダーは重い仕事と

誰もやりたがらない仕事をしなければ

ならないということです。


このことも多くの方が理解されることで

ありますが、やはり、それを実践して

いる人は少ないようです。


これは、裏を返せば、鍵山さんのような

考え方を持てば、事業は成功しやすいと

いうことです。


プロジェクトや会社には、いろいろな

ことをしたいと思う人が集まります。


だからこそ、多くの人がやりたい仕事

以外の仕事をやりたいと思える人こそ、

成功するプロジェクトや会社のリーダーに

なれると思います。

 

 

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経営者はリスクに鈍感

公認会計士の加藤茂さんが配信している

ポッドキャスト番組で、フタバ鶏卵株式

会社の平子健司社長が、次のようなお話を

されておられました。


(ご参考→ http://ka-real.com/f040/


すなわち、かつて、経理システムを

コンピューター化しようとしたとき、

経理部の従業員たちが大きな不安を

感じさせてしまった。


経営者は、常にリスクと向かい合って

おり、安全でないことに鈍感になって

いる。


そのため、経理部にパソコンを導入する

ことくらいでは、たいした負担はない

だろうと考えがちである。


しかし、当事者となる経理部では大きな

ストレスを感じていることに、経営者は

気付かないでいた。


その結果、社長が「これをやろう」と

思ったとき、後ろを振り向いたら従業員は

こちらを向いて、みな、手を振るだけの

状態になってしまう。


経営者は、自分がストレスを感じない

からといって、従業員も不安を感じない

と考えてはならない、というものです。


私は、このような状態の会社を、かつて

から多く見ており、そのような会社の

改善のためのお手伝いをすることを、

コンサルタントとしての仕事の大きな柱の

ひとつとしています。


前述の平子社長の教訓は、多くの方が理解

なさるものとは思いますが、実際にはその

ような状況に至っている会社は少なくない

ようです。


というのは、事業を始めた方の多くは、

事業そのものに関心があり、その事業を

実行するために会社を起こしています。


ですから、その事業を営むための組織

への関心は相対的に低いようです。


このようなことが、平子社長が反省した

経験に至ってしまったと考えられます。


今回の記事の結論は、会社を発展させて

いくには「事業」だけでなく「組織」の

運営も大切な要素となっているという

ことを認識する必要があるということ

です。


このことを理解されているだけでも、

経営者の方は、ライバルと組織の力で

大きく差をつけることができると私は

考えています。


(ちなみに、小職の新刊は、このことを

土台となるテーマとして書いております

ので、ご関心のある方はお手元に置いて

いただければと思います。

http://amzn.to/2lu3fU4


なお、誤解のないように付言致しますと、

私は、経営者の方がリスクに鈍感で

あってはならないとは思っていません。


むしろ、リスクを恐れてばかりいては、

意思決定が遅れてしまうことが懸念

されます。


そういう意味では、リスクに鈍感な方が

経営者に向いていると思っています。


ただ、自分の感覚を従業員の感覚が同じで

あると考えてしまうことは避けるべきで

あるということが、今回の記事のポイント

であるということです。

 

 

 

 

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民法改正の影響

先日、民法の契約や債権の分野で、明治

29年の制定以来の大改正について、

国会に提出されたというニュースが

流れました。


ご参考→ https://goo.gl/Bu9lVb


この中で、事業のための融資の保証に

ついては、公証人が保証の意思を確認

することとする旨(改正案第465条の

6 ご参考→ https://goo.gl/9GLVyc

の改正が行われますが、実務上は

ほとんど影響はないと私は考えています。


なぜなら、その公証人が保証の意思を確認

しなければならない場合は、保証人がその

会社の役員等である場合は除かれるから

です。(同第465条の9)


要は、公証人による保証の意思の確認は

いわゆる第三者による保証のときだけで、

現在も、第三者による保証はあまり

行われていないからです。


よって、今回の記事は、これが結論で

あり、ここで終わることとなりますが、

せっかくですので、個人保証に関する

誤解について書きたいと思います。


最も多い誤解は、銀行は、なるべく多くの

保証人をつけておき、融資が返済されなく

なったら、その保証人から融資を返済して

もらおうと考えているということです。


保証人の役割は、借入した本人が返済でき

なくなったときに、代わりに借入金を返済

することなので、そのように思われがち

ですが、実際は、その逆のことを考えて

います。


むしろ、保証人から返済してもらわな

ければならないようなことになることが

分かっていれば、最初から、融資をする

ことはしようとしません。


銀行としては、融資した会社の業績が

好調を続け、融資した会社や保証人に

督促することなく返済されることを

望んでいます。


というのも、保証人からの回収には、

労力が大きいということを銀行は

知っているからです。


ただ、当初は、安心して融資できると

思って融資した相手が、不測の事態に

よって融資の返済ができなくなった

場合は、やむなく保証人に返済を要請

することになりますが、なるべくなら

このようなことにはならないように

なることを銀行は望んでいます。


もうひとつ触れておきたいことは、

経営者の保証についてです。


よく、経営者の方は、「会社の借入が

返済できなくなれば、経営者の財産を

返済にあてなければならないことは

分かるが、自宅は失わないように

したい」という希望をもっておられる

ことです。


このことは、残念ながら避けることは

できないのですが、これについては、

保証人が自宅を失わなくてすむように

するにはどうすればよいかということに

ついて考えるよりは、経営者の方が

保証人にならなくてすめば、経営者の

方が自宅を失うことも避けられることに

なります。


(とはいえ、万一、会社の借入が返済

できないような状態になるときは、

経営者の方が保証人の立場としてでは

なく、会社の金策のために経営者の

個人の財産を会社につぎこみ、結果と

して財産を失ってしまうことになる

ことも多いと考えられますが、ここでは

銀行と社長の関係だけに焦点をあてて

話しを進めます)


現在は、銀行が社長を保証人から外す

ことにはあまり否定的ではないようです。


とはいえ、どんな会社でも経営者を保証人

から外すというわけではなく、おおよそ

3つの条件があります。


( ご参考 https://goo.gl/l0j4OM )


ひとつめは、会社の業績がよいこと。


ふたつめは、会社の情報開示が適切に

行われていること。言い換えれば、

「中小企業の会計に関する指針」

( https://goo.gl/3Q7PZL )などに

したがって決算書が作成されていること。


みっつめは、会社と社長の財布がきちんと

わかれていること。


このようなことを書くと、「銀行の

ために、このようなことをしなければ

ならないのか」と感じる経営者の方も

いらっしゃると思います。


しかし、これらのことは、会社が大きく

なれば、自ら行わなければならないこと

でもあります。


会社の社会での存在が大きくなれば、

きちんとした体制が必要になるから

であり、上場する会社は、もっと厳しい

基準を満たさなければなりません。


これらをひとことで言えば、きちんとした

会社になれば、銀行も経営者保証を外す

ことに協力するということです。

 

 

 

 

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QCサークルのすすめ

私は、お手伝いをする会社に、QC

サークルの実施を薦めています。


QCとは、品質管理(Quality

Control)のことですが、

QCサークルは、品質管理のための

小集団活動です。


そして、もちろん、QCサークルは、

製品、サービスの品質を高めるために

活動をすることが第一義的な目的ですが、

現場にいる人たちが自らテーマを選択

したり、改善方法を考えたりし、そして

自らそれを実施して、その改善の効果を

実感することができ、これらの体験に

よって、現場の従業員の方が、改善意欲を

高めたり、仕事のスキルを高めたりする

という副次的な効果が得られる活動です。


これについては、否定的な経営者の方や

コンサルタントの方にもお会いしてきて

います。


否定的な方の根拠は、QCサークルの

活動は、直接的に収益に結びついて

いないというものです。


QCサークルを行う時間があるので

あれば、それを生産活動や営業活動に

振り向けることの方が、会社にとって

利益をもたらすというものです。


この考え方は、定型的なルーチン業務が

多い事業においては適していると思い

ます。


しかし、定型的な業務はこれからは

ますます減少していきます。


特に、最近はAIを活用することで、

判断業務も機械が行うようになると

言われています。


そうであれば、機械にとってかわることが

できない、有機的な仕事によって競争力に

差が出てきます。


そうであれば、QCサークルなどによって

従業員の方のスキルを高めることの方が

賢明と言えるでしょう。


そして、もうひとつ、QCサークルなどの

活動が避けられる理由としては、経営者と

しては、人財育成が面倒だと考えている

からだと私は考えています。


これは、すべての経営者の方にあてはまる

ことではありませんが、事業運営をして

いる経営者としては、遠回りなことをする

よりも、直接、事業活動に注力して利益を

得たいと考える人も少なくありません。


ただ、私は、前述の通り、これからの

事業の競争力は、組織としての力が強い

会社でなければ、強くなっていかないと

考えています。

 

 

 

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出版企画と融資審査

出版をすると、出版経験者や、これから

出版をしたいと考えている人との交流が

自然と増えてきます。


私も、これまで何人もの出版をしたいと

いう人とお会いしてきており、私の知り

合いの編集者の人にそのような方を紹介

した結果、何人かの方が出版を実現して

います。


そういう私も、初めての出版のときは、

知人を介して編集者の方を紹介して

もらっています。


しかし、自費出版や買取条件の出版を

除き、純粋な自費出版はなかなか実現は

難しいものです。


その最大の理由は、お金の問題です。


出版社は、ケースバイケースですが、

ものの、1回の出版で、およそ500

万円か、それ以上の金額の本を印刷

します。


500万円は、1冊1,600円の本の

場合は、初版で3,000冊分程度印刷

するときの金額です。


その一方で、もし、印刷した本があまり

売れなかったら数百万円の損失になり

ます。


そこで、当然のことですが、売れる本か

どうかという見極めが厳しく行われます。


その一方で、本を出版したい人は、

「自分が書く本は必ず売れる」と思って

出版企画を書いています。


私自身も何度も出版を断られています。


もちろん、私は売れる本だと思って

いても、出版社はそう判断してくれない

ことがたびたびありました。


とはいえ、この記事は、出版の仕方を指南

することが本旨ではないので、結論を

述べると、出版社に出版を応諾させたい

のであれば、最低でも、客観的なデータを

見せることが必要になるということです。


ここで、読者の方はいくつかの疑問を

持たれると思います。


そのひとつは、「相手を説得するために

客観的なデータを見せることは、わざわざ

指摘されるまでもなく、当たり前のこと

だろう」ということです。


実は、私が銀行に勤務していて融資の

申し込みを受けたとき、意外にも、

客観的なデータを提示する人は多くあり

ませんでした。


融資を受けようとする人の多くは、

自社の事業はうまく行くと思っており、

そのような方は客観的なデータは

必要ないと考えておられるようでした。


そのような方は、そもそも、もうから

ない事業を始めるようなことはする

はずがないという前提なのでしょう。


しかし、銀行も多くの融資先を見ており、

融資の申し込みがあった場合、その

当事者よりは客観的に事業の先行きに

ついては判断できる立場にあるといえる

でしょう。


そこで、事業計画に疑義があれば、その

確証を求めることになります。


話しを戻すと、当事者にある方は、自分の

ことについては冷静に判断しにくいと

言えるようです。


私も、本の企画を断られたときは、自分が

かつて、融資の審査をしていたときの

ことを思い出しました。


自分は、「この本は需要がある」と思って

いても、出版社から見れば「この本は、

これまでの出版の経験から見ると、売れる

とは思えない」という判断になるよう

です。


もちろん、企画の提出にあたっては、

客観的なデータも示すわけですが、

それだけでは出版に応諾してもらうため

には、確証としては弱いということです。


とはいえ、まだ、いくつかの出版企画に

ついては、いつか実現させようと考えて

いるので、これから客観的なデータを

積み上げていきたいと思っています。


前述のとおり、出版を実現するには、

出版社に対して数百万円を投じてもらう

ことになるわけですから、それを安心して

実施してもらえるものとしなければなりま

せん。


もうひとつの疑問として、客観的なデータ

とは何かということが思い浮かんだ方も

多いと思います。


これについては、また、別の機会に説明

したいと思います。

 

 

 

 

 

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