私は、お手伝いをする会社に、QC
サークルの実施を薦めています。
QCとは、品質管理(Quality
Control)のことですが、
QCサークルは、品質管理のための
小集団活動です。
そして、もちろん、QCサークルは、
製品、サービスの品質を高めるために
活動をすることが第一義的な目的ですが、
現場にいる人たちが自らテーマを選択
したり、改善方法を考えたりし、そして
自らそれを実施して、その改善の効果を
実感することができ、これらの体験に
よって、現場の従業員の方が、改善意欲を
高めたり、仕事のスキルを高めたりする
という副次的な効果が得られる活動です。
これについては、否定的な経営者の方や
コンサルタントの方にもお会いしてきて
います。
否定的な方の根拠は、QCサークルの
活動は、直接的に収益に結びついて
いないというものです。
QCサークルを行う時間があるので
あれば、それを生産活動や営業活動に
振り向けることの方が、会社にとって
利益をもたらすというものです。
この考え方は、定型的なルーチン業務が
多い事業においては適していると思い
ます。
しかし、定型的な業務はこれからは
ますます減少していきます。
特に、最近はAIを活用することで、
判断業務も機械が行うようになると
言われています。
そうであれば、機械にとってかわることが
できない、有機的な仕事によって競争力に
差が出てきます。
そうであれば、QCサークルなどによって
従業員の方のスキルを高めることの方が
賢明と言えるでしょう。
そして、もうひとつ、QCサークルなどの
活動が避けられる理由としては、経営者と
しては、人財育成が面倒だと考えている
からだと私は考えています。
これは、すべての経営者の方にあてはまる
ことではありませんが、事業運営をして
いる経営者としては、遠回りなことをする
よりも、直接、事業活動に注力して利益を
得たいと考える人も少なくありません。
ただ、私は、前述の通り、これからの
事業の競争力は、組織としての力が強い
会社でなければ、強くなっていかないと
考えています。