経営コンサルタントの中村仁さんが、中村
さんのメールマガジンに、ご自身が育児を
しながら仕事をしておられるということを
書いておられました。
中村さんは、生後7か月のお子さんの育児
をしているため(ご夫人もフリーランスと
してお仕事をしておられるようです)、1
日に仕事に割くことができる時間は、4時
間に限られるそうです。
そのような制約がある方は、限られた時間
で多くの仕事ができるよう、生産性を高め
るということが考えられますが、やはり、
それだけでは限界があり、中村さんは優先
順位をつけて仕事を絞り込んでいるという
ことです。
さらに、中村さんは、多くの時間を仕事に
あてられる人の方が、たくさんの仕事をし
ようとしてしまい、逆に、仕事が計画通り
にできなくなってしまうということをご指
摘しておられました。
私も中村さんと同じ考えを持っており、顧
問先の事業改善のお手伝いをするときに、
事業計画の立案の際は、単に、売上の推移
だけを計画するのではなく、その売上を得
るために必要な作業時間や従業員数まで計
算しないと、画餅になってしまうとお伝え
しています。
このことは、誰でも容易に理解できること
なのですが、結構、見落とされがちなこと
です。
そして、今回、中村さんのメールマガジン
に書かれていたことを引用したのは、事業
を絞り込むことは、心理的な要因で、なか
なか実践できないということをお伝えした
かったからです。
中村さんは、育児のために、1日に4時間
しか仕事ができないので、ある意味、否が
応でもそうせざるを得ない状況にあるとは
いえ、それでも、効果的な取り組みを実践
しておられるということは、とても参考に
なると思います。
中小企業は経営資源が少ないので、それを
いかに有効に活用するかが事業改善の鍵で
あり、そのための有効な手法が事業の絞り
込みなのですが、経営者の立場とすれば、
事業の幅を狭めることで、売上を減らすこ
とにつながってしまうのではないかという
恐れがあるために、無意識のうちに、多く
のことに手を広げようとしてしまいがちで
す。
でも、そのことがかえって計画倒れを引き
起こすという皮肉な結果につながります。
今回の記事の結論は、余裕があるときこそ
間違った判断をしてしまう心の隙ができて
しまうので、十分な注意が必要ということ
です。
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