鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

戦略よりも改善活動

前回に引き続き、今回も、稲盛和夫さんか

らきいたお話で印象に残ったことについて

ご紹介したいと思います。


稲盛さんは、若手経営者向けに盛和塾とい

う勉強会を開いておられますが、ある時、

その塾生から、次のようなことを言われた

そうです。


すなわち、盛和塾で稲盛さんのお話をきい

て、稲盛さんのいうとおりに行動してきた

ら、会社の売上がいつのまにか倍になって

おり、稲盛さんにとても感謝しているとい

うものです。


このお話は、(1)先輩経営者から受けた

助言は素直に実行すべき、(2)石の上に

も三年といわれるように、会社の業績を伸

ばすには辛抱強さが大切という、2つのこ

とを示唆しているものと思います。


そして、このことは、多くの方がご理解さ

れると思います。


でも、一方で、それを実践する人は少ない

とも思っています。


なぜなら、ある意味、リスクを背負って経

営者になった人、または、多くの苦労を積

み重ねて経営者のポジションに就いた人に

とっては、自分の思う通りのやり方を実践

することがモチベーションになっているか

らです。


そして、それは、経営者でない人でも、経

営者とはそういうものだと考えている人も

多いでしょう。


しかし、経営者は常に謙虚でなければなら

ないということが、今回の記事の主旨では

ありません。


これは、私自身にもあてはまることなので

すが、多くの経営者の方は、どうしても自

分の思い通りにやってみたいという願望を

持っていると思います。


仮に、失敗するかもしれないとしても、一

度は自分の思い通りにやってみないと気が

済まないというのが人情かもしれません。


しかし、冷静に考えてみれば、経営者は結

果責任が問われます。


やり方はどうであれ、業績がよくなりさえ

すれば、経営者は評価されます。


ですから、自分の思い通りにやることが本

当の目的ではないということが理解できる

と思います。


そうはいっても、自分の考え方を実践した

いと考えている方は、そのことによって会

社の業績もよくなると考えていることが多

いので、なかなか結果責任に思いが至るこ

とは難しいかもしれません。


最近の例では、元社長の提案を跳ねのけた

現社長が、自らの方針で事業展開をした結

果、業績を悪化させてしまった家具販売会

社の例が思い浮かびます。


もちろん、「それは結果論だ」ということ

が言えるかもしれません。


ただ、経営者がこだわるべきものは、自分

の考えるやり方よりも、会社の業績を上げ

るための活動だと思います。


もし、前述の家具販売会社も、そういった

視点が経営者に必要であり、戦略ありきで

なかったら、急激な業績悪化は避けられた

のではないかと私は考えています。

 

 

 

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