事業の内容にもよりますが、季節的に
繁忙期がある事業がたくさんあります。
そのような事業を営んでいる会社の
経営者の方は、毎年、「忙しい時期を
乗り切るのはたいへんだ」と感じて
おられるし、そのようなことを
口に出しておられるでしょう。
繁忙期があるということは、
売上が伸びることでもあり、
望ましいとは感じるのですが、
銀行職員やコンサルタントとして、
長い期間、中小企業のお手伝いを
してきた私としては、
少し疑問を感じることがあります。
というのは、繁忙であることが、
利益に貢献しているかということです。
例えば、紅葉の時期に繁忙期を迎える
観光ホテルについて考えたいと思います。
このようなホテルは、10月と11月は
稼働率が90%を超えます。
しかし、他の月は稼働率が50%程度で
あるとします。
その結果、年平均での稼働率が60%に
なるとすれば、採算がよいとは言えない
でしょう。
このようになる原因としては、
繁忙期を乗り切ることに、
経営者や従業員の関心が集まってしまい、
年間を通じての採算については
関心が少ないということでしょう。
これを改善するには、
「紅葉」という外部の要因に頼らず、
自社のホスピタリティを高める、
すなわち、
自社の内部の要因で売上を得ることで、
繁忙期以外の稼働率を高くすることです。
このようなホテルは、
繁忙期があるために、
本当に目を向けなければならない課題に
目が向かなくなっているという
ことでしょう。
ちなみに、
上記の例とは条件は異なりますが、
アパホテルが需給に応じて
宿泊料を変えたことが
話題になりました。
(参考記事→ https://goo.gl/ImUZIG )
一部には批判的な意見もありますが、
私は、これは、評価できる方針だと
思います。
「宿泊料が高いから宿泊しない」と
感じる利用者はいるかもしれませんが、
それでも値上げをしたということは、
自社のサービスの自身の裏打ちが
あるからでしょう。
繁忙期がある事業の経営者の方は、
繁忙期が本当に自社に利益を
もたらしているかどうかという
ことについて検討してみると、
さらに利益をあげるための
ヒントが見つかるかもしれません。