[要旨]
実業家の平川さんは、ご著書、「ビジネスに『戦略』なんていらない」で、現在、巷間にあふれている「戦略」は、「短期的な成功の秘訣」に過ぎず、ビジネスにはもっと奥深い意義を見出すべきと提言しています。
[本文]
東京都品川区中延にある、隣町珈琲店の店主であり、実業家の、平川克美さんのご著書、「ビジネスに『戦略』なんていらない」を拝読しました。この本は、やや難解な本ですが、「戦略はいらない」というフレーズが気になり、読んでみました。そして、タイトルの「戦略はいらない」というのは、ビジネスには戦略が不要という意味ではないようです。この本で平川さんが「不要」と感じている「戦略」とは、「短期的な成功の秘訣」のことのようです。
すなわち、この「短期的な成功の秘訣」とは、多くのビジネスパーソンが欲しがっているような、書店に並んでいるビジネス書に書かれているものであり、「長期的な成功の意味については、あらかじめ、目をつむっている」ものであると、平川さんは指摘しています。では、平川さんが考える、ビジネスに重要なものは何かというと、ビジネスとは、お金と商品の交換だけではなく、さらに、信用で信用を再生産することととらえることだということのようです。
ただし、この表現は、あえて簡略化しており、平川さんの真意を正確に表現しているものではありませんので、ご関心のある方は、平川さんのご著書を、直接、お読みいただくことをお薦めします。私も、平川さんの本の内容を十分に読み込んではいませんが、巷間で言われている、いわゆる「経営戦略」は、本当は、表面的なものであり、ビジネスにはもっと奥深い目的があるということを考えさせられる本でした。
私自身もそうですが、目の前の課題に対しては、労力をかけることを惜しんでしまいがちですが、やはり、本当の勝敗は、それだけでは左右されるものではないということを考えるきっかけとなる本でした。「いま、自分が取り組んでいるビジネスには、何か物足りない」と感じている方には、平川さんのご著書をお読みになることをお薦めしたいと思います。