私は「売上を得られる営業マンがほしい」
という考え方を経営者の方は持つべきでは
ないと考えています。
なぜなら、そもそも自力で売上を得られる
営業マンは、サラリーマンにはなる必要が
ないからです。
経営者としては、能力の高い営業マンを
雇いたいという要望を持つことは理解
できますが、そのためには、そのような
能力を持つ人材から、自社に勤めたいと
思ってもらえるようにならなければなり
ません。
その要因としては、給与などの処遇が
高い、さらに自分の能力を高めてもらえる
ことが期待できる、売れる商品を販売して
いるというものがあります。
このように書くと、「それができれば
苦労はしない」と言われそうですが、
そこが経営者としての腕だと思います。
ところで、これに関して、経営コンサル
タントの木戸一敏さんが、ご自身の制作
しているポッドキャストで、次のように
お話しされておられました。
(ご参考→ https://goo.gl/VZx4Cn )
すなわち、「かつて、自分がリフォーム
会社を経営しているとき、売上を得られる
営業マンなら誰でもいいから雇いたいと
考えていた。
しかし、それは営業マンを人として見て
いないということだ。
そのような関係であれば、会社のことを
考えて働いてもらうことは難しい」という
ことを、自戒の念をこめてお話しされて
いました。
これは、「売上を得られれば誰でもいい」
という基準で営業マンを雇ってしまうと
一匹狼の集団になってしまい、会社と
しての体をなしていないということを
示唆なさっているのだと思います。
このことに気づいた木戸さんは、その後
ご自身の気の合う営業マンだけを雇い、
そして、会社への不満を聞き出して改善
するなど、人間関係を良好にしていった
ということです。
これは、よく言われていることですが、
組織だった行動により、営業マンの出す
結果を、1+1=3にすることだと
思います。
例えば、1か月に100万円の売上を
得られる営業マンを3人雇えば、会社
としては、1か月に300万円の売上を
得られることになりますが、組織として
行動することで、500万円にも600
万円にもするということだと思います。
よく、経営者の方が、従業員の考え方が
ばらばらで、組織だった行動がなかなか
出来ないでいると悩んでいるところを
目にします。
どうすれば、そのような状況が解決するか
ということは、別の機会に述べたいと思い
ますが、会社の売上を増やすには優秀な
営業マンをそろえればよいと単純に考えて
いる方は少なくないと思っています。
会社、すなわち、組織を運営することは
経営者の役割ではあるものの、その重要な
役割には目を向けず、単なる道具としての
営業マンを揃えることだけを考えて
いると、結果として、事業は行き詰って
しまうと、私は考えています。