[要旨]
業績を月次で管理していない会社は、銀行から見て、会社の業績をタイムリーに把握できないという点と、管理スキルが少なく、本業自体も競争力が高くないのではないかという懸念を抱かれてしまう点で、改善が求められていると言えます。
[本文]
前回、月次試算表を作成することで、事業運営に有用な情報を得ることができるが、スキルの低い会社では、月次での会計データをなかなか集計できないということを述べました。今回は、このことは、銀行取引にも関係があるということを述べたいと思います。もちろん、銀行は、融資相手の会社の会計データに大きな関心があります。そして、月次試算表を作成している会社からは、月次での業績推移を把握することができ、融資審査を行いやすくなるということは、容易にご理解できるでしょう。
これに加えて、月次試算表を作成している会社は、管理スキルがが高いという評価を受けると思われます。ある意味、業績を把握するための月次管理はあたりまえとはいえ、実際には、それを行っている会社は少数派なので、月次試算表を作成しているというだけでも、銀行へのアピールになります。これは、多少、業績が下がったときでも、月次試算表を提出している会社は、銀行としても業績を細かく把握できるので、融資審査に有利に働きます。
このようなことから、銀行融資に苦心している会社で、月次試算表を作成していない会社には、私は、月次試算表を作成するよう提案しています。繰り返しになりますが、業績を月次で管理していない会社は、銀行から見て、会社の業績をタイムリーに把握できないという点と、管理スキルが少なく、本業自体も競争力が高くないのではないかという懸念を抱かれてしまう点で、改善が求められていると言えます。