[要旨]
ビジネスコーチの井口雅史さんは、かつて、建設会社にご勤務していたとき、懸命に仕事に取り組んできたことから、50代までは順調に昇格していったそうですが、それにともない部下や取引先の人たちから頭を下げるようになり、そのことを、自分の能力が高く、周りが自分を認めてくれていると考えていたものの、その後、配置転換により、井口さんは役職が外れ、部下もいなくなった結果、今まで自分に近寄ってきた人たちから距離を置かれるようになり、今まで自分に頭を下げていた人たちは、自分ではなく、会社の看板や肩書に頭を下げていただけだったということに気づいたそうです。そこで、会社の看板や自分の肩書に頼らなくてもすむよう、自分自身の能力を高めていくことが大切だということです。
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ビジネスコーチの井口雅史さんがNOTEに書いていた記事を拝読しました。記事の要旨は、井口さんは、かつて、建設会社にご勤務しておられ、懸命に仕事に取り組んできた結果、50代までは順調に昇格していったそうです。それにしたがって、部下や取引先の人たちは、井口さんに頭を下げるようになったのですが、そのことを、自分の能力が高く、周りが自分を認めてくれていると考えていたそうです。しかし、その後、配置転換により、井口さんは役職が外れ、部下もいなくなったそうですが、今まで自分に近寄ってきた人たちから距離を置かれるようになり、今まで自分に頭を下げていた人たちは、自分ではなく、会社の看板や肩書に頭を下げていただけだったということを認識したということです。
とはいえ、この井口さんのような経験は、多くの人も経験し、また、自分は経験しなくても、周囲の人が経験しているところを見ていることも多いと思います。私も、かつて、地方銀行に勤務していましたが、残念なことに、肩書きを盾にして威張っていた上司を少なからず見ました。また、融資をするお金は、自分のお金ではなく、預金者から預かっているお金なのに、あたかも自分のお金を貸すかのように融資相手の会社の経営者と接している同僚を見たこともあります。
そして、何よりも、自分が若くて、会社の中での地位が低いときは、尊敬できないけれど、肩書きだけで威張っている上司に対し、苦々しい思いをしながら頭を下げていた経験があるはずです。そこで、自分が出世したときに、自分に頭を下げてくる部下がいたとしたら、それは自分ではなく肩書に頭を下げているだけだということを十分に理解できるはずです。それにもかかわらず、井口さんのような勘違いをする人は、いまだにたくさんいるということは、私としては不思議だと考えています。
その一方で、かつて、映画「もののけ姫」のテーマ曲がヒットした、歌手の米良美一さんが、作家の本田健さんからのインタビューの中で、次のようにお話ししておられました。すなわち、もののけ姫のテーマ曲がヒットして、自分はたくさんの注目を浴びるようになったけれど、それは、たまたまだったという要素もあるので、慢心してはいけないと自分を戒めていた。でも、後になって思い返してみると、自分は慢心していたこともあったことに気づいた、というものです。
私は、この米良さんのお話しを聴いて、私自身もそうですが、人は、潜在意識では、他の人から評価されたい、尊敬されたいという欲求があるので、注意深く用心していても、他の人から褒められたり頭を下げられたりすると、どうしても勘違いしてしまうのでしょう。では、どうすればよいのかというと、根本的な解決方法は、私は見つけることがいないでいます。
そうでありながら、なぜ、今回、井口さんの記事をご紹介したのかというと、まず、会社の中に肩書だけで威張る人、会社の看板だけで威張る人がいると、業績を高めようとするときの妨げになるわけですが、その一方で、最初から出世すれば威張ることができると思っている人もいるし、相当、用心している人でも慢心することを完全に避けることは難しいという前提で、職場内での対策しておくことが大切だと感じたかです。それには、まず、経営者が、完璧な行動ができないとしても、お手本になる行動をすることだと思います。「実るほど頭の下がる稲穂かな」ということわざがありますが、それは、言うまでもなく、威張らない経営者の経営する会社は業績が高いということを示すものでしょう。
2026/3/16 No.3379
