[要旨]
経営コンサルタントの長谷川和廣さんによれば、例えば、すばらしい企画書をつくっても、そのつくった人の信用がなければ、会社内の人からはその企画書を受け入れてもらうことは難しくなるので、普段から同僚の話を誠実に聞き、常に素直な心で向き合うことで信用を築いていくことが、仕事を円滑に進めるためには大切だということです。
[本文]
今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの長谷川和廣さんのご著書、「2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、長谷川さんによれば、潜在能力のあるビジネスパーソンには3つのステージがあり、第1段階は才能のある「切れる人」、第2段階は調整力のある「できる人」、第3段階は広く社会のことまで考慮できる「導ける人」ということについて説明しました。
これに続いて、長谷川さんは、人間力を身に付けることが大切ということについて述べておられます。「ビジネスパーソンー人ひとりの、一番大切な財産は『信頼関係』です。その財産を築きあげるために必要な資質とは何かと考えたとき、結局のところ『人間力』という言葉に行き着きます。ちょっと社内を見渡してください。どんなに見た目が素晴らしい企画書でも、『この人の作った資料、なぜか信用できないな』と思われる人や、『正論なんだけど、どうしてもあの人の言うとおりにはしたくないな』と感じてしまう人が、あなたの周りにもいるのではないでしょうか?
そういう人物は、ウソをついているとは言われない程度に情報を隠したり、裏表があったり、人の揚げ足を耳ったりする、どこか誠意に欠ける人だと思います。では、どうすれば信頼関係が築けるのでしょう?そのためには、普段から人の話を誠実に聞き、常に素直な心で他人と向き合うしかありません。小手先のテニックは、たとえ相手から見破られなくても、実は確実に相手に『感じ取られて』いるからです」(28ページ)
私が、かつて、銀行に勤務していた20代のとき、渉外係として、たくさんの中小企業の経営者の方に融資のセールスをしていました。しかし、単に、融資のお願いをしても、簡単には応じてもらうことはできませんでした。その理由のひとつは、中小企業経営者からみれば、息子や甥っ子のような年頃の銀行職員が、果たして、自社のために本当に動いてくれるのかどうかわからないからではないかと、私は、考えました。
すなわち、いまは融資をセールスしてくれているけれど、銀行の都合で融資を引き上げるようなことをされたら困るから、融資の申し込みも迷っているのではないかということです。そこで、私は、融資をお願いしている経営者の方から信用してもらえるようにしようと、時間をかけて信用を築くことにしました。とはいっても、社会人としては当たり前のことですが、頼まれたことはすぐに実行する、それが終わるまでに時間がかかるようであれば中途経過を報告をする、顧客を紹介したりなど、会社にとって有益な情報を提供するといったものです。
こういった活動を積み上げていくことで、ようやく融資の話にも応じてもらうことができるようになりました。長谷川さんは、「普段から人の話を誠実に聞き、常に素直な心で他人と向き合うしかない」と述べておられますが、私も、まったくその通りだと考えています。
2025/8/12 No.3163
