[要旨]
経営コンサルタントの長谷川和廣さんによれば、たくさんの会社の事業改善の経験から、成功している会社は経営環境に合わせて変化できる会社だということです。そこで、経営者の方も従業員の方も、変化しようとする勇気を持つことた大切だということです。
[本文]
経営コンサルタントの長谷川和廣さんのご著書、「2000社の赤字会社を黒字にした社長のノート」を拝読しました。本のタイトルからも分かる通り、長谷川さんはこれまで2000社の会社の事業改善に携わってこられた経営コンサルタントの方です。まず、同書で、長谷川さんは、変化させられる人を評価するということについて述べておられます。
「赤字の再生企業に出向いた際、私がまず味方につけたいと思う人材は『変化させられる人』でした。私が企業競争の現場で経験した結果を分析してみると、多くの会社で起こった繁栄と衰退には、明らかな原因がありました。生きることに成功している会社は、刻々と変わる社内外の経営環境を見極めて自分の会社を変化させる力がある。一方、不幸にして生きることに失敗した会社は、弱点を自ら変える力が弱っているのです。
つまり、古い体質を改善できずに『儲けを生み出せないシステム』のままでいたら、時間の経過とともに格差は、どんどん広がってしまいます。これは個人のレベルでもまったく同じです。『実績を生み出せない自分』のまま、ただ給料をもらっているだけでは、いつの間にかライバルたちに差をつけられてしられまいます。まず、個人レベルで今までの価値観を根底からシフトする勇気を持ってください!」(16ページ)
この長谷川さんのご指摘は、ほとんどの方がその通りであるとお考えになると思います。しかし、特に業績があまりよくない会社では、変化することが難しいようです。その理由ですが、私がこれまで中小企業の事業改善のお手伝いをしてきた経験から感じることは、感情の問題だと考えています。経営者の方の場合、会社の状況が赤字であれば、業績を改善しなければならないのだから、行動を変えなければならないと口にします。
でも、それは、例えば、顧客訪問数を増やすなどの活動量を増やしたり、生産効率を高めてコストを減らりたりするなどの、現在の活動の延長でしかしないことが多いようです。なぜそのように限定してしまうのかというと、もし、新しいことを行って失敗してしまうと、さらに状況が悪化してしまうという考えがあるからのようです。
しかし、これば部外者だから言えることでもあると思いますが、経営者の方が新しいことを実践することを避けようとする理由には、もし、新しいことをして失敗してしまうと、経営者の責任がさらに問われてしまうことを恐れているからではないかと思います。また、これは意地悪な見方なのですが、新しいことを実践して、その結果、幸いなことにそれが奏功した場合、これまでの自分の活動が否定されてしまうことになるので、業績は改善しなければならないものの、新しいことはしたくないと経営者の方が考えることもあるのではないかと思っています。
この、事業活動は経営環境に合わせて常に変化しなければならないことは間違いないのだけれども、変化することはとても難しいということは、組織運営についてずっと指摘されてきているものです。それだけ、経営者にとって実践が難しい課題であるし、すぐに解決できるものでもないことの証左だと思います。だからこそ、短い文章では結論を述べることも難しいのですが、長谷川さんのご指摘をきっかけに、改めて変化することの大切さを考えていただければと思っています。
2025/8/10 No.3161
