鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

固定資産取得時は自己資金が必要

[要旨]

機械設備や社屋・工場などを取得するときに、もし、その必要額の全額を融資で賄うと、自己資本比率が低くなり、会社の安定性が下がってしまいます。また、固定資産は価格が下がってしまったり、変動しやすいので、融資する銀行も、全額を融資することはリスクが高いと判断します。


[本文]

今回も、前回に引き続き、嘉悦大学教授の高橋洋一さんのご著書、「明解会計学入門」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、債務超過の会社は融資金利の支払額が多くなり、支払い能力が低下して融資金利の支払いができなくなると、銀行は融資を引きあげることになり、会社は倒産してしまうので、会社が倒産するときの最大の原因は、債務超過であるということについて説明しました。

これに続いて、高橋さんは、不動産を購入するときは、3分の1程度は自己資金を用意すべきということについて述べておられます。「無借金といわずとも、不動産価格の3分の1程度は自己資本を準備し、残りの3分の2程度を銀行から借りる、というのでも構わない。その場合、仮に資産価格が3分の2まで下がっても、銀行は自分たちの取り分を確保できると考える。

仮に、1億3,000万円の資本を投入し、2億6,000万円を銀行から借りて自社ビルを建てた場合、土地と建物を合わせて2億6,000万円以下にならない限りは、銀行から文句を言われる心配はないということだ。BSで考えれば、欲しい資産を得る『お金の出どころ』のうち、いくらを『借入金』にして、いくらを『資本』にするか、という発想もできる。資本から出す額が大きいほど、当然、リスクは低くなる。会計的に考えて、どれくらいのリスクをとるのかも検討せず、大きな買い物をするのは、非常に危険なのである」(132ページ)

私が、これまで、中小企業の融資申請支援をしてきたとき、「設備資金は必要額の100%を銀行で融資してくれると助かる」という要望をきくことがあります。もし、工場などを建設するとき、必要額全額を銀行から融資してもらえれば、会社は資金負担がないので、とても楽になるということは事実です。

しかし、高橋さんがご説明している通り、会社が取得した固定資産、特に機械や建物は、すぐに価値が下がってしまう、または、価格の変動が激しいので、銀行としては必要額の全額を融資しにくいという面があります。また、それだけでなく、もし、固定資産の取得資金を、全額、融資で調達した場合、自己資本比率が低くなり、会社の安定性が下がってしまいます。

2024/6/24 No.2749