鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

AIを活用して品質の高いピザを焼く

[要旨]

スーパーマーケットのオーケーは、看板商品のピザを、AIを活用し、経験の浅い従業員でも高い品質で焼くことができるようにしようとする取り組みが行われています。このように、情報化武装は、単に、合理化や効率化を図るだけでなく、新たな価値を生み出すことを目指すことが大切です。


[本文]

フリーライターの酒井真弓さんが、神奈川県横浜市に本社があり、神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県にスーパーマーケットを出店している、オーケーに関する取材記事を、ダイヤモンドオンラインに掲載しておられました。酒井さんの記事によれば、同社は、ピザ焼き色判定AIシステムを導入しようとしているそうです。もともと、同社ではAIの活用を模索しており、同社の看板商品であるピザの品質をさらに高めるためにAIを活用しようとしたそうです。

品質の高いピザを、経験の浅い従業員が、AIを活用することによって製造できるようになれば、同社の競争力はさらに高まることになります。このような情報技術の活用は評価できるということは、多くの方がご理解すると思いますが、実際は、これは、情報技術に関するリテラシーが高くないとできないことです。というのは、現在の事業活動を、情報技術で効率化したり、省力化したりすることは、事業活動そのものが変わることではないので、情報技術を使うことができれば、誰にでもできます。

でも、情報技術を活用することでどんなことができるのかが分からなければ、オーケーのような、情報技術の活用によって、商品の品質を高めようということは行おうということにはならないでしょう。私が、中小企業の情報化武装の支援をしていて感じることは、このように、情報技術の活用を、従来の活動にあてはめている間は、情報技術の威力を十分に発揮できないということです。

そこで、情報技術の活用によって、従来のプロセスを変え、新しい価値を生み出すことができるようにしなければ、競争力を高めることはできないということです。とはいえ、中小企業には情報技術に関するリテラシーを備えた人材を確保することが困難という事情があります。そこで、単なる省力化や効率化だけではなく、真の情報化武装を実践したいと考えている経営者の方は、まず、商工会議所やITコーディネータなどの専門家にご相談することをお薦めしたいと思います。

2023/4/21 No.2319