鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

地方銀行による情報化武装支援

[要旨]

ふくおかフィナンシャルグループの傘下の地方銀行では、取引先の会社の情報化武装の支援を行っています。現在は、会社の事業の生産性向上のポイントは情報技術をどれだけ活用しているかにかかっており、銀行による中小企業支援は、融資相手の業績の改善や、地域経済の活性化に大いに資すると考えることができます。


[本文]

フリージャーナリストの田原寛さんが、地方銀行福岡銀行などを傘下に持つ、銀行持株会社ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)が、中小企業を対象とした、デジタル化支援コンサルティングを行っていることについて、ダイヤモンドオンラインに寄稿しておられました。この記事よれば、FFGの参加には、福岡銀行、十八親和銀行(地盤は長崎県長)、熊本銀行の3行で40人余りがデジタル化支援の専任としてコンサルティング業務に従事しており、2021年10月~2022年9月の1年間に3行で974件の相談を受け付け、そのうち419件について実際に支援が確定したそうです。

さらに、FFGと福岡銀行の営業統括部部長を兼務し、グループのデジタル化支援コンサルティングを指揮する河﨑幸徳さんの次のような言葉が紹介されています。「中小企業の労働生産性は大企業に比べて約4割の水準にとどまっていますが、その大きな要因はデジタル技術を経営に生かせていないことにあると考えられます。一方、中小企業の7割以上は地方金融機関がメインバンクとなっており、地方における中小企業のデジタル化支援は、まさに私たちが担うべき役割だといえます」

現在は、会社の競争力の差は生産性の差でもあり、その生産性の差は、どれだけ情報技術を活用できているかということでもあります。そして、銀行から見て融資相手の会社が情報化が進み、生産性が向上すれば、地域経済が活性化したり、融資需要が増加したりするなどのメリットがあることから、FFGのような取り組みは極めて妥当だと思います。ところで、情報技術の活用というと、かつては省力化や効率化を図ることが目的だったこともありますが、現在は、経営戦略に情報技術を取り入れて競争力を高める時代です。サプライチェーンの構築、スマート工場による多品種少量生産、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実践などがその例です。

ところが、中小企業では、IT人材の確保が困難な会社が多く、その支援を銀行が行うことで、多くの会社が情報化武装を一歩進めることができるようになるでしょう。すべての銀行がこういった支援をしているわけではありませんが、情報化武装を始めとした改善を考えている方は、取引銀行に相談することで、それに着手するための何らかの手がかりを得られると思います。なお、私もITコーディネータの資格を有しておりますが、私のような専門家にご相談されることも有用だと思います。

2023/4/8 No.2306