鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

全社戦略

[要旨]

経営戦略は、対象によって分類することができ、会社全体を対象とする戦略を、全社戦略といいます。全社戦略は、PPMや、バリューチェーン分析により検討され、各事業ごとの経営戦略が部分最適を目指すことなく、会社全体の全体最適を目指せるようになります。


[本文]

前回は、経営戦術とは、「経営戦略の目的を達成するための、より、具体的・実践的な取組み」であるということを説明しました。今回は、経営戦略の種類について説明します。経営戦略は、その対象によって分類することができ、そのうち、会社全体を対象とする戦略を、全社戦略といいます。全社戦略は、会社が複数の事業を営んでい場合に、事業ごとの戦略の間で調整が行われ、会社として最適な結果を導くための戦略です。

では、どのような方法で調整が行われるのかというと、そのひとつは、プロダクト・ポートフォーリオ・マネジメント(PPM)で検討する方法です。これは、会社の事業を、問題児、花形、金のなる木、負け犬の4つに分け、一般的には、金のなる木に属する事業から得られるキャッシュ・フロー(CF)を、花形や問題児に属する事業に投入するということが行われます。

その次は、バリューチェーン(価値連鎖)分析により検討する方法です。これにより、複数の事業の間に重複がないか、また効率化できないかということを分析し、全社戦略の策定に反映させます。このような調整により、各事業ごとの経営戦略が部分最適を目指すことなく、会社全体の全体最適を目指せるようになります。

2022/4/7 No.1940

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