鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営戦略と経営戦術

[要旨]

経営戦術は、明確な定義はありませんが、「経営戦略の目的を達成するための、より、具体的・実践的な取組み」と言えます。経営戦略に対応した経営戦術を明確にすることによって、経営戦略も、より、確実に遂行されるようになります。


[本文]

前回は、経営戦略は、どのように事業活動を行うのかという方法を示すものであるのに対し、経営理念は、会社の目的や目標といった、ゴールを示しているという面で異なるということを説明しました。今回は、経営戦略に似ている考え方である、経営戦術について説明します。経営戦術は、明確な定義はないようなのですが、私は、「経営戦略の目的を達成するための、より、具体的・実践的な取組み」であると考えています。したがって、ある会社組織にとっての経営戦術が、その会社を構成する各部門にとっては、経営戦略的な存在になることもあるでしょう。

また、経営戦略と経営戦術の明確な区分もないので、両者の違いを示してみます。まず、適用期間は、経営戦略は中長期的(3~5年)ですが、経営戦術は短期的(1~3年)です。次に、対象は、経営戦略は、全社的、大局的ですが、経営戦術は、現場的、短所的です。また、内容については、経営戦略は、大まかな方向を示していますが、経営戦略は、具体的な活動を示しています。

具体的には、中小企業診断士の伊藤一彦さんらのご著書の、「バランス・スコアカードの創り方」に書かれていた例では、「過剰とならないよう、適正な人員の配置を行う」という経営戦略に対する経営戦術は、「きめ細やかなシフト表を作成する」というものがあります。このように、経営戦略を打ち出した後、それを実現させるための具体的な活動である経営戦術を明確にすることによって、事業活動は、より確実に遂行されるようになります。

2022/4/6 No.1939

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