[要旨]
原価計算の種類は、対象、性格、範囲の3つの区分によって、それぞれ2つに分けられます。具体的には、(1)原価の対象による区分→個別原価計算と総合原価計算、(2)原価の性格による区分→実際原価計算と標準原価計算、(3)原価の範囲による区分→全部原価計算と直接原価計算に分けられます。
[本文]
前回は、原材料などの製造原価は、製品を製造するために消費された時点では費用にはならず、その製品が販売された時点で費用になりますが、広告宣伝費などの販売費及び一般管理費は、支出された時点で費用となるということを説明しました。今回は、原価計算の3つの区分について説明します。原価計算の種類は、対象、性格、範囲の3つの区分によって、それぞれ2つに分けられます。
(1)原価の対象による区分→個別原価計算と総合原価計算
(2)原価の性格による区分→実際原価計算と標準原価計算
(3)原価の範囲による区分→全部原価計算と直接原価計算
よって、実際にどのような原価計算を行うのかは、この3つの区分にしたがって決めることになります。具体的には、つぎの6つの種類の原価計算の中から選びます。
(1)個別・実際・全部原価計算
(2)総合・実際・全部原価計算
(3)総合・標準・全部原価計算
(4)個別・実際・直接原価計算
(5)総合・実際・直接原価計算
(6)総合・標準・直接原価計算
理論的には、個別・標準・全部原価計算と個別・標準・直接原価計算もあるのですが、個別原価計算と標準原価計算の考え方は相いれないため、この2つは実際には行われません。
また、個別原価計算は、生産単位によって、「一般的な個別原価計算」と「ロット別原価計算」に分けられます。また、総合原価計算は、製品の種類によって、「単純総合原価計算」、「等級別総合原価計算」、「組別総合原価計算」などに分けられます。さらに、原価の集計方法によって、「単一工程総合原価計算」と「工程別総合原価計算」などに分けられます。今回は、原価計算の区分と種類ついてだけ説明しましたが、次回から、それぞれ、どのような原価計算なのかを説明して行きます。
2022/3/25 No.1927