鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

原価と非原価

[要旨]

製造原価は、製品を製造するために消費された時点では費用にはならず、その製品が販売された時点で費用になります。一方、非原価である販売費及び一般管理費は、支出された時点で費用となるので、期間費用とも言われます。


[本文]

前回は、財務会計でいう、狭い意味での原価とは、「原価計算基準」に示されており、それは「製品を完成させるために消費された財貨や用役を金額で表わしたもの」であるということを説明しました。今回は、会社の事業で支出される費用のうち、原価とはならない、「非原価」とはどういうものかということについて説明します。非原価は、具体的には、販売費及び一般管理費などです。

これらは、「製品を完成させるために消費された財貨や用役」ではない費用です。この説明では、単に、原価に該当しない費用というだけなので、別の面から説明すると、非原価は、発生した期間の費用として認識されます。したがって、販売費及び一般管理費は「期間費用」ともいいます。例えば、会社の会計期間が1月から12月の会社で、12月に支払った広告費は、その会計期間の期間費用です。

一方、その会社で、12月に製造されたものの、実際に販売されたのは翌年の1月の製品があったとします。その製品が製造されたは12月なので、その製品を製造するために消費された材料などは、12月に消費されています。しかし、その材料費は、12月の時点では、いったん棚卸資産として計上され、製品が販売された翌年1月に、費用になります。このように、製造原価は、実際に消費されたタイミングと、費用になるタイミングが異なります。

2022/3/24 No.1926

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