[要旨]
作家で僧侶の草薙龍瞬さんは、失敗するかもしれないという不安は妄想であり、まず、行動すれば、徐々に、自信がつくと説いています。行動することそのものがなかなかできないこともありますが、自信をつけるための方法は、極めてシンプルであり、難しいことではありません。
[本文]
前回、組織のリーダーは、心理学者のアドラーの言う「勇気」を持ち、「自分が相手に貢献できていることそのものに満足を感じる」ことができるようになることが望ましいと述べました。では、それができるようになるにはどうすればよいかということですが、私は、作家で僧侶の草薙龍瞬さんの東洋経済オンラインへの寄稿が参考になると考えています。
「まず、やってみて、体験を積む。つぎに、ある程度の成果を出せるようになり、周囲が認めてくれるようになる。そのとき、『本当にうまく行くのだろうか』という不安でてきたら、それはまさに妄想。ほんとはその妄想に反応しないで、ただ、『やってみる』の連続だけでいい。そうすると、『こう動けば、ある程度の成果が出せる』という“見通し”がつくようになる。この“見通し”こそが『自信』です。
こうしてみると、本当の自信は、『できる』という判断・妄想ではなく、『やってみる』ことの、その先に来るものだとわかります」この草薙さんのご指摘は、極めて当然なのですが、少し厳しい書き方をすると、「自信がない」と口にする人は、それを口にすることで、自分が行動しないことを正当化しているのだという指摘でもあると、私は考えています。
そういいつつ、私自身も、たびたび、行動しないことがあります。ただ、裏を返せば、行動すれば自信がつきます。そう考えれば、希望がわいてきます。今回の記事の内容は、草薙さんの記事を引用したこともあって、禅問答のようになってしまいましたが、自分で自分にブレーキをかけていては自信がつかないことは当然であって、逆に、ブレーキを外しさえすれば、行動し、それが自信になるという、極めてシンプルなことが答えなのだと思います。
2021/10/5 No.1756