鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業再構築補助金の担保の制約(1)

[要旨]

事業再構築補助金では、「補助金をあてて建てる建物の敷地に、根抵当権が設定されているときは、建設前に、その解除を要請する」という、誤った判断が行われています。


[本文]

先日、事業再構築補助金のコールセンターから、不動産担保に関する質問の回答がありました。まず、私の質問は、「根抵当権の設定されている土地に、補助金をあてて建物を建てることは認められるか?」というものでした。

話がそれますが、本当は、「根抵当権が設定されている敷地に、補助金を使って建物を建てた場合、その根抵当権に、新たに建てた建物を追加設定することは認められるか?」ということを質問しようとしていました。銀行は、根抵当権を設定している土地の上に、建物が建てられたときは、一般的に、前述のように、その建物も根抵当権に追加設定することを求めます。

それは、敷地と建物の両方に根抵当権が設定されていないと、担保としての価値が下がるからです。そこで、前述のような質問をしたかったのですが、コールセンターでは、担保に関する知識を持つ人がいなかったために、それを質問するまでに至らず、「根抵当権の設定されている土地に、補助金をあてて建物を建てることは認められるか?」という質問の意図を理解してもらうまでがやっとでした。

そして、コールセンターでは、その質問への回答を、経済産業省に仰いだようで、半月以上の間を置いて、次のような回答が届きました。回答の内容は、「補助金をあてて建てる建物の敷地に、根抵当権が設定されているときは、建設前に、その解除を要請することとし、これについては、近日、Q&Aに記載する」というものです。このような方針は、経済産業省の誤った判断なのですが、その根拠は、次回、説明します。

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