鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ポストコロナ持続的発展計画事業

[要旨]

中小企業庁の補助事業で、経営改善計画の作成支援に関する専門家への報酬を、20万円まで(補助率は3分の2)補助するものがありますので、コロナ禍の中で、事業改善を進めようとしている会社には、積極的に利用することをお薦めします。


[本文]

中書企業庁の、中小企業支援政策に、「ポストコロナ持続的発展計画事業」というものがあります。これは通称で、正式には、「早期経営改善計画策定支援事業」といいます。以前の通称は、「プレ405事業」でしたが、4月から、「ポストコロナ持続的発展計画事業」に変わりました。

名称はともかく、どういった支援かというと、中小企業が、経営革新等認定支援機関(以下、認定支援機関と記します)に、早期経営改善計画(以下、改善計画と記します)策定支援を依頼した場合、20万円を上限に、費用の3分の2を補助するというものです。

これまで、コロナ禍にあって、改善計画の作成の必要性を強く感じていたものの、専門家からの支援に関しては、費用の面で躊躇していた会社は、この制度を利用して、認定支援機関に改善計画の作成の支援を依頼することをお薦めしたいと思います。ただし、注意する点が2つあると、私は考えています。

ひとつめは、改善計画は、作成されれば目的が達成されるわけではなく、作成後は、それを目標として、会社が能動的に改善活動を実践しなければならないということです。したがって、改善計画作成の段階から当事者意識を強く持ちながら、専門化と一緒に改善計画を作成し、完成した時点はスタートラインに立っている状態だと認識する必要があります。

もうひとつは、専門家の支援を受けながら、改善計画を作成したり、期中管理したりするノウハウを身に着けることが大切ということです。同事業の補助は、改善計画作成と、1年後のモニタリングのときだけなので、補助なしで専門家の支援を受ける場合を除き、2年目以降は、自ら改善計画を作成しなければなりません。

とはいえ、まったく計画もなく事業をするよりは、計画的な活動を続けるだけでも、大きな効果は得られると思います。コロナ禍で事業改善を進めるには、会社自らの努力が欠かせませんので、多くの会社にポストコロナ持続的発展計画事業を活用していただき、1日でも早い事業の改善を実現していただきたいと思います。

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