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いわゆる不労所得を得るには、インカムゲインを得る「投資家」になるべきとロバート・キヨサキさんは述べておられますが、投資家になるには、ビジネスオーナーの経験が必要です。しかし、実際に、ビジネスオーナーになることは容易ではなく、ビジネスの仕組みをつくるスキルを身に着けることが必要です。
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先日、イーメディック社長の小島幹登さんが、ポッドキャスト番組で、キャッシュフロークワドラントを誤って理解している人が多いということをお話していました。キャッシュフロークワドラントとは、「貧乏父さん金持ち父さん」の著者として有名な、ロバートキヨサキさんの著書、「キャッシュフロークワドラント」に登場する言葉です。
キャッシュフロークワドラントを簡単に説明すると、まず、ビジネスパーソンを4つに分類します。その4つとは、E:会社の従業員、S:個人事業主・小規模の会社の経営者、B:ビジネスオーナー、I:投資家、です。そして、キヨサキさんは、お金持ちになるには、I:投資家になればよいが、いきなりI:投資家になることはできないので、いったん、B:ビジネスオーナーになるという過程をとるべきと述べておられます。
ちなみに、小島さんは、株式などの短期売買をする人を、キヨサキさんのいう投資家と勘違いしていたり、会社の従業員や自営業者の方が、いきなり投資家になれると考えていたりする人がいるが、それは、本を熟読しておらず、誤解していると指摘しておられます。私も、小島さんのご指摘はその通りだと思いますし、そのように考えている人にも、しばしば会うことがあります。
では、なぜ、誤解してしまう人が多いのかという理由について考えてみたのですが、誤解してしまう人は、キヨサキさんのいうビジネスオーナーや投資家について、なかなかイメージできないからだと、私は考えています。というのは、自営業・小規模の会社の経営者とビジネスオーナーの違いは、自らが事業にたずさわるかどうかということです。ビジネスオーナーは、自らが事業にはかかわらず、ビジネスの仕組みづくり(=管理業務)に徹する人です。
でも、これは感覚的に理解していただけると思いますが、自らは事業にかかわらずに会社を経営することは、実際にはなかなか難しいようです。その理由はいくつもあると思いますが、最大のものは、「リーダーとは、先頭に立って、部下たちを引っ張っていく役割」というイメージが、まだまだ強いからではないかと思います。
でも、21世紀に求められる経営者は、調整役の役割を強く求められるようになってきています。そこで、キヨサキさんのいう投資家を目指したいと考える方は、ビジネスオーナーとはどういう役割を担う人なのかということから理解すべきと、私は考えています。