鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

Excelは準備が7割

[要旨]

Excel業務改善コンサルタントの小野さんによれば、完成度の高いExcelの表を作成するには、表を作成する時間のうち、7割を準備にあて、実際にExcelを操作する時間は、3割が妥当ということです。これは、ビジネスにもあてはまると思われますが、直接的な活動が長ければ、成果物の品質が高くなるとは限らず、利用する側の求めるものを調査するというような間接的な活動も大切です。


[本文]

いま、私が制作しているPodcast番組に、Excel業務改善コンサルタントの小野眸さんにご出演いただいているのですが、小野さんのお話をきいて、意外だったことがありました。仕事で、なかなかうまくExcelを使いこなすことができなくて苦心している方は少なくないと思いますが、どうすればよいExcelの表を作ることができるのかということについて、小野さんは、「準備に7割の時間を割くこと」とお話しておられます。多くの方は、なるべく早く、表を完成させたいと考えると、少しでも長く、パソコンに向かって表を作成した方がよいと考えると思います。

でも、小野さんは、準備に7割の時間をあてて、実際にExcelの表の作成には3割の時間をあてるべきとお話しています。では、準備にはどのようなことをするのかというと、情報の収集、情報の確認、完成イメージの確認、レイアウトの検討、上司への確認などを、小野さんは行うべきとお話しています。この小野さんのお話をきくと、完成度の高いExcelの表というのは、それを使う側にとって分かりやすい表のことであり、それを作るためには、Excelのソフトを操作する時間よりも、どういう表を作るべきかという準備に時間をかけるべきということが理解できます。

私も、これまで本を書いてきた経験から、実際に原稿を書く時間と、何を書くかを検討する時間は、ほぼ、同一であり、決して原稿を書く時間が長ければよい本になるとは限らないと感じています。そして、この小野さんの考え方は、ビジネスにもあてはまると、私は考えています。現場にいて、事業の直接的な活動をしているだけでは、業績が向上するとは限らないと思います。直接的な活動と同時に、どういった商品を顧客は求めているのか、これまでの事業活動に問題点はないかといった、事業活動を検証する活動も大切だと思います。

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