鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

伴走支援型特別保証制度

[要旨]

コロナ対応無利子融資に代わる、伴走融資は、無利子とはならないものの、比較的、好条件での融資です。ただし、「金融機関が継続的な伴走支援をする」という条件があるので、注意を要します。


[本文]

いわゆるコロナ対応無利子融資が、3月で取扱が終わり(実行は5月末まで可)ますが、それにともなって、4月から、「伴走支援型特別保証制度」つきの融資((以下、単に、「伴走融資」と記します)の取扱が始まるようです。制度の概要は、(1)保証限度額:4,000万円、(2)保証期間:10年以内、(3)返済据置期間:5年以内、(4)融資金利:金融機関所定の金利、(5)保証料率0.2%(国による補助前は原則0.85%)、(6)売上減少要件:▲15%以上、(7)その他:セーフティネット保証4号、5号、危機関連保証のいずれかの認定を受けていること、経営行動計画書を作成すること、金融機関が継続的な伴走支援をすること(原則四半期に1度)等というものです。

伴走融資は、無利子融資より、条件が悪化しますが、それでも一般の融資よりもよい条件です。また、すでに、多くの会社で無利子融資を利用しており、伴走融資を利用する会社は、それほど多くないと思います。それよりも、気になる点は、「金融機関が継続的な伴走支援をする」という条件が、具体的にはどのようなことを指すのかということです。

伴走融資の説明資料によれば、「各四半期の中小企業者の取組に関するPDCA」を行うとあります。このような、金融機関が融資相手の会社を支援するという取り組みを行う主旨は理解できるものの、金融機関にとっても、融資を受ける会社にとっても、負担がかかることから、伴走融資そのものを両者が避けようとするのではないかと、私は懸念しています。この点については、まだ、不明確なので、4月以降、実態が分かりましたら、改めてお伝えしたいと思います。

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