鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ソーシャルビジネスに対する融資審査

[要旨]

ソーシャルビジネスを営む会社は、融資承認は得やすくなると思われますが、融資審査の最大のポイントは利益が見込めるかどうかなので、利益の見込みが少ない場合、融資承認を得られないこともあります。


[本文]

今回も、前回に引き続き、Clubhouseでご相談を受けた、ご相談の内容についてシェアしたいと思います。具体的には、ソーシャルビジネス(社会問題の解決を目的とする収益事業)を行う場合は、銀行が融資を行いやすいのかというご相談です。結論としては、融資判断に有利に働くものの、その影響はあまり大きくないということです。銀行は、融資の判断をするとき、融資をする会社の事業の公共性も加味して判断します。

したがって、ソーシャルビジネスは、融資審査において有利です。ただ、融資承認の決め手となる最も大きな要因は、利益が得られるかどうかなので、ソーシャルビジネスであっても、利益が見込めそうでなければ、融資の承認は得にくくなるでしょう。また、これまで、自社が、銀行から融資をなかなか受けられないでいるとき、事業をソーシャルビジネスに転換すれば、融資を受けられるようになるかというと、業種を変えるとはいえ、それも、これまでの実績が重視されるので、簡単に、融資を得られるようになるとは考えにくいでしょう。

ちなみに、私は、ソーシャルビジネスを事業にする会社が増えていくことは望ましいと考えていますが、ソーシャルビジネスを営んでいる会社だけが社会貢献をしているとは考えていません。いわゆる、一般の事業を営んでいる会社であっても、利益を出して納税したり、従業員の方を雇用していたりすることは、大きな社会貢献であると考えています。多くの銀行も、利益をあげ、従業員の雇用を維持している会社は評価していますので、ソーシャルビジネスを営まないと評価されないと考えることは適切ではないと、思っています。

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