鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

正直=正しく生きる言動

[要旨]

組織の一員は、組織が維持できるよう、分別のある行動をしなければなりませんが、かといって、個人に儀性を強いるだけでは組織に参加してもらえなくなるので、両者のバランスが大切です。


[本文]

社会保険労務士の藤咲徳朗先生のメールマガジンを拝読いたしました。そのメールマガジンに、ある女性とおじさんのやりとりについて書かれていました。「ある女性がおじさんに対して、『自分の言いたいことだけを言うのではなく、もっと相手の気持ちを考えて、話をした方がいいですよ』と、アドバイスをしたら、おじさんは、『俺は生き方をかえることができない、正直に生きたい』と反論をした」ということです。

これについて藤咲先生は、「『正直=思ったままを言うこと』ではなく、『正直=正しく生きる言動』と考えるとよい」というアドバイスを書いておられます。私も、藤咲先生のおっしゃる通りだと思います。ただ、「正直に生きたい」という言葉を読んで、私は、そういうことを口にするおじさんには、何か特別の事情があるのかもしないのではないかと、勝手に想像をしました。

というのは、仮に、おじさんが、若いころに、ブラック会社に勤務していて、上司からたくさんパワハラを受けていて、仕事をしているときは、上司の命令に対し、「嫌です」と言えず、ひたすら機嫌を伺いながら、自分の気持ちを押し殺して仕事をしていたとしたら、「もう、会社を辞めたのだから、自分の気持ちに正直になって、嫌というものは嫌と言いたい」と考えていたとしたら、ちょっと同情してあげたいと感じました。

もちろん、おじさんに同情できる部分があるとしても、過去の職場と関係ない人に対しては、きちんと、分別のある接し方をしなければならないことは、言うまでもありません。話を戻すと、人は、常に我慢しなければならないのかというと、100%そうではないと、私は考えています。なぜなら、個人は、会社であれ、ご近所付き合いであれ、我慢するだけの組織、または、我慢に見合った見返りが得られない組織には加わっている意味はないからです。

その一方で、藤咲先生のご指摘の通り、「正しく生きる(=組織の一員として分別のある行動をする)」ことをしなければ、組織の一員として居続けることができなくなるでしょう。組織は、組織として成果を出さなければならないし、参加者にもメリットを感じてもらわなければならないし、そういうバランスがとても大切ということを、改めて感じています。

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