鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

自社の属する業界の情報は宝物

[要旨]

自社の属する業界では常識的なことも、顧客からみれば、貴重な情報となることもあります。ただ、そのような情報は、自社では気づきにくいので、当たり前と思われる内容を顧客に向けて伝えていくことで、差別化を図ることができます。


[本文]

今年は、コロナ騒動に始まり、それが収束しないまま、年を越すことになりそうですが、そんな中、私は意外なことで感謝される経験をしました。というのは、今年は様々なコロナ支援策が実施されたのですが、それらを正しく理解していない方たちが、意外と多かったからです。

例えば、最高200万円の給付を受けることができる持続化給付金は、飲食業や宿泊業の会社しか申請できないと、誤って理解している経営者の方が、少なくありませんでした。そこで、そのような方たちに対し、持続化給付金は、業況によって給付される金額は変わるものの、業種は関係ないということをお伝えすると、たいへんよろこんでいただき、すぐに申請するという回答をいただきました。

また、これは、東京都に限ることなのですが、東京都感染拡大防止協力金も、これは飲食業が対象であると誤って理解し、自社は対象ではないと思いこんでいた経営者の方も少なくありませんでした。東京都感染拡大防止協力金の対象は、すべての業種ではないのですが、貸会議室業や塾なども対象になっていたので、そのような方たちにも対象になっているとお伝えすると、とてもよろこんでいただきました。

また、さらに、こちらは感謝されたわけでないのですが、対象業種であったにもかかわらず、条件を満たすように休業しなかったために、感染拡大防止協力金を申請ができなかった会社もありました。このような会社には、条件などをもっと早くお伝えできていれば、協力金を受け取ってもらうことができたので、残念に感じています。

これらの、給付金や協力金は、公に発表されているので、私のようなものが、あえて伝える必要はないと、初めのころは感じていたのですが、前述のように、意外と正しく伝わっていない例が見られたので、それに気づいてからは、中小企業のご支援の専門家として、より分かりやすくお伝えするよう努めました。

私は、仕事がら、国や自治体の公表する文書を読むことには慣れているのですが、普段は、その必要がない方たちには、中小企業の支援策の内容は、ちょっと見ただけではよく理解しないということを、今回のコロナ騒動で知ることができました。そして、このことは、ある意味で、私の事業のセールスポイントにもなるということを知る経験になりました。

このようなことは、他の業種にもあてはまると思います。自社の属する業界では常識的と思われていることでも、その業界に詳しくない人から見れば、驚くような知識やノウハウというものは、自分では気づきにくくても、意外と存在するでしょう。そういったことを、顧客に丁寧に伝えるだけでも、顧客との関係は強くなると思います。ちょっとしたことですが、このような情報発信をしていると、ライバルとの差をつけることができるでしょう。

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