鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

組織の論理

[要旨]

人間は社会的な生き物であり、単独では生きていくことはできません。個人と組織の両方の視点を持つことが必要であり、それが組織の課題を円滑に解決するためにはとても大切です。


[本文]

新型コロナウイルスの感染者が、11月下旬から、再び拡大し始めているようです。これに対して、感染拡大を防ぐために、人の往来を規制すべきという意見と、GOTOキャンペーンなどの経済対策は継続すべきという意見が出ています。(ご参考→ https://bit.ly/3gBX6yo )両者はまったく逆の意見ですが、一方で、どちらももっともだと思います。感染拡大が増えれば、国民の命が危険にさらされますし、また、人の往来がなくなれば、景気が落ち込み、経営が行き詰る会社が増えてしまいます。そして、最もややこしいことは、両者の意見は、同じ、日本国内で出ているということです。

感染者が増えて欲しくないと考えている方も、国内の景気が悪化すれば、自身も影響を受けるでしょう。景気悪化を懸念している人も、感染者が増えれば、景気悪化がさらに加速してしまうかもしれません。では、どうすればよいのかということですが、それは、私は、明確に述べることができません。今回のコロナ禍は、とても難しい課題であると考えています。したがって、私も、対応策を軽々に述べることは避けなければなりません。

ただ、単なるひとりの国民としてだけではなく、国を構成するひとりの国民としても対応策を考え、実践することが大切だと思います。例えば、今年4月に、三重県桑名市の青木記念病院などを運営している、医療法人財団青木会では、「職員約400人に、1人当たり最大10万円の、臨時ボーナスの支給」をしています。(ご参考→ https://bit.ly/2KcGBgf青木理事長は、行政だけに頼らず、自らも景気をよくしたいと考えて、この臨時ボーナスの支給を決めたそうです。

そこで、「物品購入や食事、旅行などの直接的な消費に使途を限定し、4月までに使い切る」という条件をつけ、「職員には、領収書の提出を求め、使途や金額を確認」した上、さらに、「使い残した場合は、6月の賞与支給から差し引く」ということです。もちろん、青木理事長の考えや行動は、とてもすばらしいとはいえ、このようなことをしただけで、コロナ禍の課題のすべてが解決するわけではありません。でも、こういった考え方をする方が増えることで、コロナ禍の影響は少なくなるものと、私は考えています。

繰り返しになりますが、それぞれの国民は独立した個人でもありますが、国を構成する一員でもあるので、片方だけの考え方で行動することは、あまり賢明ではありません。よく、「組織の論理」という言葉は、「組織のために個人を犠牲にする論理」というような、ネガティブなイメージで使われることがあります。でも、人間は社会的な生き物であり、単独では生きていくことはできません。個人と組織の両方の視点を持つことが必要であり、それが組織の課題を円滑に解決するためにはとても大切です。

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