[要旨]
定石的な戦術や他社の改善事例を見ると、それらをそままま自社にあてはめることができないと感じてしまいますが、会社ごとに経営環境が異なるため、それは、当然と言えます。したがって、自社で自社に適した改善策を策定し、実践できる会社は、強い会社になることができます。
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事業改善のお手伝いをしていると、しばしば、お手伝いをしている会社の経営者の方から、「うちの会社は特殊だから」という言葉を聴きます。これには、私も、十分に理解できます。個々の会社には、それぞれ、異なる経営環境(外部と内部の両方)があるからです。だから、改善策の提案を受けても、「果たして、これを自社で実践できるだろうか」という不安を感じ、前述のような言葉が口から出るのでしょう。
しかし、冷静に考えれば、会社ごとに、経営環境が異なるのは、当然のことです。なぜなら、所在地、従業員、顧客、そして経営者など、ステークホルダーがすべて同一という会社はないからです。そこで、定石的な戦術や、他社の改善事例を見ると、それらをそままま自社にあてはめることができないので、「うちの会社は特殊」だと感じてしまうのだと思います。
そこで、というよりも、だからこそ、私が中小企業の改善のお手伝いをするときは、改善策そのものを提示するのではなく、改善策の策定の方法を習得してもらうようにしています。本題からそれますが、そのための最善の方法は、バランススコアカードの導入であると、私は考えています。
話を戻すと、前述のように、会社の経営環境は、会社ごとに異なるわけですから、改善策も会社ごとに異なるので、改善策は、外部の専門家に頼るよりも、自社で策定できるような会社の方が、競争力は高くなるといえるでしょう。とはいえ、自ら改善策を策定することも、確かに簡単とは言えません。だからこそ、それができる会社は、強い会社といえると、私は考えています。