鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

電車で中ほどに進まない人

[要旨]

最近は、電車で中ほどに進まない人が増えていますが、それは、育った環境の変化によるもので、従業員の中にも、そのような気が利かない人が増えていることに対しては、会社経営者の方にも、人材育成能力が問われつつあります。


[本文]

ランスタッドEAP総研所長の川西由美子さんへのインタビュー記事が、日経ビジネスに掲載されていました。インタビューの内容は、川西さんが、通勤時の混雑した電車で、入り口付近にとどまり、中ほどまで進まない人の心理について問われ、その理由として、(1)気が利かない、(2)周辺環境情報が十分に把握できない、(3)周囲に働きかけて「奥に進む技術」がないの、3つを挙げておられました。

そして、そのような人がいる原因については、幼少期の親や近所の大人たちとの経験が影響しているからで、職場で上司が親の代わりになって働きかけたり、組織全体で気を利かせることの大切さを学ぶムードを作ったりすると改善が見込まれると、川西さんはお話しておられます。

ところで、電車の中ほどまで進む人、すなわち、気が利いて、周辺情報が把握でき、周囲に働きかける能力を持っている人が職場に多いと、会社の業績も高くなることは間違いないと、私はこの記事を読んで感じましたし、私以外の人も同様に感じることでしょう。その一方で、電車の中まで進まない人が、かつてより増えているということは、それがよいか悪いかは別として、現実には職場ではそういう人の割合も多いということになると思います。

したがって、会社経営者、管理者の方は、そのような事実を踏まえて、川西さんのご指摘しておられるように、「組織全体で気を利かせることの大切さを学ぶムード」を作ることの重要性が増しているということだと思います。今回は、たまたま、電車の中まで進まない人を例に挙げましたが、令和時代は、ますます、組織の能力、個人の能力が業績を左右する要因としての比重が高まっているので、経営者、管理者の方も、組織の能力や人材の能力を高めるスキルが問われているということを、川西さんのインタビュー記事を読んで、あらためて感じました。

f:id:rokkakuakio:20200906235908j:plain