鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

想定外を想定するセンス

[要旨]

コロナ禍の中、事業回復のための打ち手はあまりありませんが、非常時に備えてBCPの策定をしておこうという姿勢は重要です。


[本文]

先日、中小企業診断士の神谷俊彦先生に、私の制作しているポッドキャストにご出演いただきました。その際、神谷先生に、コロナ禍の中、中小企業はどう対処していけばよいのか、お尋ねしました。結論としては、BCP(事業継続計画)に基づいて、手元資金を厚くしておくことが望ましいということでした。

そうすれば、会社が苦境に立ったときも、いくつかの打つ手を持つことができるということです。この考え方に対しては。多くの中小企業経営者の方は、「いまからBCPを作ったとしても、現状は変わらない」と言いたくなると思います。それはその通りです。

いま、どうしたらよいかということについては、実は、あまり打つ手がないと、私も考えています。なぜなら、一部の業種を除き、いまの日本では経済活動が縮小しているので、抜本的な打ち手はほとんどないというのが実情です。これに関しては、コンサルタントとしても心苦しいところです。

ただ、東日本大震災後のときもそうでしたが、備えのあった、すなわち、BCPを策定していた会社とそうでない会社では、その後の業績に差がでているということを、私たちは見ています。今は経営環境の変動の大きい時代であり、今回のコロナ禍のような、従来の常識では想定できないことが起きることも想定できます。

ですから、現在は、事業を早く回復させることに全力を注がなければなりませんが、ある程度の目処が立った時点で、次の想定外の事態に備えて準備をしておくことが重要だと、改めて感じています。繰り返しになりますが、残念ながら、現在は、抜本的な打ち手は多くありません。ただ、日頃から非常時に備えておくというセンスを持った経営者は、きっと、会社のピンチを救うことにつながると、私は考えています。

 

f:id:rokkakuakio:20200804235833j:plain