鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

自粛中でも人気のあるマクドナルド

[要旨]

マクドナルドは、平時でも強みがあることから、非常時でも売上が維持しているが、こういう時こそ、会社の特徴が顕著になって現れます。


[本文]

先日、日本マクドナルドの4月の業績が発表され、それについて、多くの報道機関が取り上げています。(ご参考→ https://bit.ly/2WWBowX )同社の業績に報道機関が注目する理由は、やはり、多くの外食店が、営業自粛や、営業時間を短縮する中で、同社では、売上を前年同月比で6.7%増加(うち、既存店は6.5%増加)させたからでしょう。もちろん、客数は18.9%減少しているわけですから、テイクアウトによる売上増加が、営業自粛による売上減少分を上回ったということです。この結果については、普段は他のレストランを利用していた人が、テイクアウトが容易なマクドナルドを利用したなど、マクドナルドに帰さない要因も考えられますが、総じてはマクドナルドが評価されているからだと言えるでしょう。

とはいえ、今回の記事の趣旨は、マクドナルドのすばらしさを解説しようということではありません。緊急事態宣言が出ていないときから、マクドナルドはライバルとは差別化が進んでおり、さらに、非常時になってその特徴が顕著になっているということが、同社の業績から読み取れるということです。例えば、多くの飲食店では、営業時間短縮になってから、テイクアウトでの売上を伸ばそうとしており、それについてはある程度の効果は得られているようです。しかし、マクドナルドは、そもそも、商品の競争力が大きいので、マクドナルドのライバル店がテイクアウトをしても、マクドナルドにはますます差をつけられてしまう結果になります。

とはいえ、マクドナルド以外の飲食店も、現在は、マクドナルドとの勝負に勝つことよりも、自社の売上を確保することが最優先すべき課題になっているので、そこまでは意識していないでしょう。でも、逆に言えば、非常時に自社の強みや弱みが顕著になるので、この機会に、自社の分析をしてみることが、平時にもどったときに、大いに役立つと思っています。飲食店の例で言えば、営業時間を短縮した結果、そのまま常連が離れてしまったとすれば、何が原因だったのか、分析してみるとよいと思います。

ちなみに、私のようなコンサルタントの中には、この時期に、Webセミナーなどを頻繁に開催している人もいるようです。それは、ある面で、収入を確保する手段だと思います。でも、私は、Webセミナーは開いていません。その理由は、緊急事態宣言が出る前から、リアルセミナーを開いても、あまり参加者がいなかったからです。そうであれば、私の場合、Webセミナーを開くことより、私が話す内容に多くの方が関心を持ってもらえるようにすることの方が先に行うべきことです。緊急事態宣言が出たことは不幸なことですが、そのときでないと分かりにくいこともあるので、その機会を逃さずに、活用できるかどうかも、経営者の能力のひとつだと思います。

 

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