鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

持続化補助金の注意点

前回に引き続き、小規模事業者持続化補助金(以下、単に持続化補助金と記します)について説明します。今回は、持続化補助金の注意点についてご説明したいと思います。といっても、私がこれから述べようとすることは、持続化補助金の公募要領に書かれているものなのですが、それでも、まだ、正しく理解しておられない方も少なくないようなので、記事にすることにしました。まず、ひとつめは、助成金申請に関して助言をする方たちについてですが、それに関しては、公募要領に次のように書かれています。

「政府(中小企業庁)によれば、一部の認定経営革新等支援機関や補助金申請のコンサルティングを行う事業者が、補助金への応募を代行すると称し、作業等にかかる費用等と乖離した成功報酬等の費用を中小企業・小規模事業者等に請求する事例が行政当局に報告されているとのことです。小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者自らが自社の経営を見つめ直し、経営計画を作成した上で行う販路開拓の取組を支援するものです。外部のアドバイスを受けること自体には問題はありませんが、上記の主旨に沿わない申請は採択の対象となりませんのでご注意ください。なお、成功報酬等と称される費用、申請書作成セミナーと称される費用や、補助金申請等にかかる経費に関しては、補助対象外です」

私も、専門家の方が、持続化補助金の申請の支援をすることに問題はないと思いますが、公募要領に、申請支援について注意点として細かく書かれているということは、具体的なことは私も多くを承知してはいませんが、恐らく、行政当局に伝えられるトラブルが少なくないということであると想像できます。特に、公募要領に、あえて、「補助金への応募を代行すると称し、作業等にかかる費用等と乖離した成功報酬等の費用を中小企業・小規模事業者等に請求する事例」と書かれているように、補助金の主旨に沿わないことを行おうとしている第三者もいるということに、十分にご注意いただきたいと思います。なお、私自身も、補助金の申請のご支援をしており、申請の支援そのものが否定されるものではないということも、改めて付言しておきたいと思います。

次の注意点ですが、公募要領には次のように書かれています。「補助金交付決定を受けても、定められた期日までに実績報告書等の提出がないと、補助金は受け取れません」これは、文面からは、「報告書を提出しなければ、補助金は受け取れない」というように読み取れます。しかし、このことに関し、もっと注意しなければならないことは、補助対象事業は、いったん、採択された後に事業計画どおりに活動し、その間は、補助対象の経費の全額を自社で支払った後、報告書を提出し、その支出が適切であったことが認められてから補助金を受け取ることができるということです。これを、短く言い換えると、補助金は、後払いになるということです。

したがって、持続化補助金を受け取る会社は、最終的には負担が軽くなりますが、補助対象事業を実施している間は、すべての活動費は自ら捻出する必要があります。そういう点では、融資を受けたり、持続化給付金を受け取ったりするよりは、資金繰改善には、直ちには貢献しません。とはいえ、補助金は、原則、返還しなくてすむという点では、融資よりも優れているということは言及するまでもありません。以上が、主な注意点です。なお、他にもたくさんの注意点がありますので、持続化補助金の活用を希望しておられる方は、公募要領をしっかりとお読みいただきたいと思います。ちなみに、持続化補助金を始め、ほかの補助金についてご質問がある方は、こちらからお問い合わせください。→ http://yuushi-zaimu.net/contact/

 

f:id:rokkakuakio:20200513212035j:plain