鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

人のやらぬこと、やれぬことのみをやる

「心に響く名経営者の言葉」という本に、

西武グループの創業者の、堤康次郎が残し

た、「人のやらぬこと、やれぬことのみを

やった」という言葉が、紹介されていまし

た。


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康次郎が行き着いた、「人のやらぬこと、

やれぬこと」とは、具体的には未開発地の

開事業のようで、それが西武グループの基

礎となったようです。


現代風に言えば、「ブルーオーシャン」を

見つけたということだと思います。


ただ、そこに行き着くまでには、康次郎は

何度も他人からきいた儲け話に乗ったもの

の、二番煎じの事業はなかなか儲からず、

失敗を繰り返してきたようです。


そこで、「儲けようと考えたことがいけな

いのであって、自分は儲からなくてもいい

から、世の中の役に立つことをしよう」と

考えるようになったそうです。


その考え方が、康次郎の事業を成功に向か

わせるようになったということは、私が述

べるまでもありません。


そして、今回、私が康次郎の言葉をご紹介

しようと思った理由は、どうすれば「人の

やらぬこと、やれぬこと」をやれるように

なるのかということを考えてみたいと思っ

たからです。


ここで、単純に、「『人のやらぬこと、や

れぬこと』を、やればいいだけのことでは

?」と思う方も多いと思います。


でも、実際には、それをやる人は、意外と

少ないようです。


私は、その理由は、主に2つあると思って

います。


ひとつめは、事業にできる、「人のやらぬ

こと、やれぬこと」は、簡単には見つから

ない、コロンブスのたまごのようなものだ

からです。


例えば、いまでは珍しくない引越業は、昭

和51年に寺田運輸(現在の、アートコー

ポレーション)が引越業を始めるまでは、

その事業の需要があることが、運送業者か

ら気づかれていませんでした。


また、コンビニエンスストアなどにATM

を設置しているセブン銀行も、創業当時は

銀行業界からは成功しないと思われていま

したが、いまでは、従来の銀行とWin-

Winの関係を築いています。


でも、一般的に、事業を始めるときは、事

業を始めることそのものが目的になってい

たり、事業を始めようとするきっかけが、

既存の事業を始めることだったりするの

で、難易度の高いブルーオーシャン市場を

創造しようとすることまで考える人は少な

いようです。


この、ブルーオーシャン市場の創造は難易

度が高いということが、ふたつめの理由で

す。


既存事業でさえ、軌道にのせることがなか

なか容易でない時代に、さらに新たな市場

を作ることはもっと難しいわけですから、

「人のやらぬこと、やれぬこと」を始める

ことができる人は限られるのは当然だと思

います。


今回の記事の結論は、「人のやらぬこと、

やれぬこと」をやることで、大きな先行者

利益は得られるものの、最初からそれを目

指すことは難しいということです。


でも、自社の事業を大きくするには、新し

い市場を作ることは重要だと思います。


ですから、まず、ビジネスの基礎的な力を

身に付け、それを高めながら、将来は、独

自の市場を作るというステップを踏む、す

なわち、「守破離」を実践することが望ま

しいということです


私も、いま、ようやく、「守」から「破」

に移ろうと、必死にもがいているところで

す。


そして、遠くない将来、「離」に移りたい

と思っています。

 

 

 

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