前回、私が顧問先へご支援する内容は、バ
ランス・スコア・カード(以下、BSCと
記します)の導入と述べました。
これまで、BSCについては、部分的には
触れてきましたが、全体を通して説明した
ことがなかったので、今回、改めてご説明
したいと思います。
BSCは、米国の経営学者のロバート・S
社社長のデビッド・ノートンが、1992
年に発表した業績評価システムです。
BSCは、かつて、米国での会社の評価方
法が短期的な財務面に偏りすぎているとの
批判から考え出されたものです。
具体的には、財務の視点意外に、非財務の
視点(顧客の視点・業務プロセスの視点・
学習と成長の視点)も取り入れて評価する
仕組みを取り入れています。
その後、多くの会社は、事業が長期的に安
定して成長することが、会社の利害関係者
である株主、顧客、従業員にとっても好ま
しいと考えるようになり、BSCを導入す
るようになって行きました。
BSCは、このように業績評価システムと
して誕生しましたが、その後、次のような
効果が得られるものとして注目されて来ま
した。
(1)BSCを実践するためには、まず、
社内で実践されている個々の戦略を有機的
に結びつけた戦略マップを作成しますが、
その戦略マップを作成する作業の中で、複
数の戦略の間での対立や問題点を発見し、
それを調整したり排除したりすることで、
会社全体としてスマートな戦略の遂行が可
能になります。
(2)重要業績評価指標(KPI)が設定
されることで、各戦略を遂行する事業、部
署の目標、責任、権限が明確になります。
(3)各戦略の役割、各部署の責任などが
明確化されることで、各事業間、各部署間
での認識の相違がなくなり、戦略遂行にあ
たっての社内での意思疎通が円滑になりま
す。
このように、BSCは戦略を効果的に遂行
するためのツールとして高い評価を受け、
導入する会社が増えています。
なお、内容が長くなりますので、戦略マッ
プ、KPIなどの、BSCに関連する独自
の用語については、次回から順次解説して
いきます。
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