弁護士の鳥飼和重先生のポッドキャスト番
組で、鳥飼先生が、本田技研工業の元副社
長の藤沢武夫さんについてお話されておら
れました。
(ご参考→ https://bit.ly/3bDJlMB )
藤沢さんは、多くの方がご存知のように、
本田技研工業の黎明期に、財務・販売部門
を取り仕切り、創業者の本田宗一郎氏を支
えてきたことで有名です。
そして、鳥飼先生によれば、本田技研工業
は、かつて、事業が振るわず、資金繰に窮
していた時期があったそうです。
そのとき、同社の取引銀行は、融資支援を
渋っていたものの、同行の支店長が、経理
業務を担当している藤沢さんはうそをつか
ず、信用できる人なので、支援を続けるべ
きであると、銀行本店にかけあったことか
ら、同行は同社に融資を続けることになっ
たそうです。
このエピソードは、非論理的な面がありま
すが、銀行は、融資相手の会社の経理部門
を、とても重視しているということの表れ
だと思います。
確かに、経理業務がしっかりしていること
と、業績がよくなることは別なのですが、
業績が悪い会社であっても、経理がしっか
りしていれば、改善を要する点が明確に
なっているので、銀行としては、今後の改
善に期待することができます。
一方、業績が悪くて、かつ、どんぶり勘定
の会社では、業績が悪い原因がわからない
ので、銀行には、支援をするかどうか、判
断ができず、結果として支援を断ることに
なってしまいます。
よく、銀行は、業績の悪い会社に冷たい対
応をすると批判されますが、実際には、業
績が悪いからではなく、業績の悪い会社の
多くは経理がしっかりしていないため、今
後の業績の見通しを判断できないので、結
果として、融資を断ることになっているの
だと思います。
今回の記事の結論は、私がすでに何度も述
べてきていることなのですが、仮に業績が
悪くても、経理がしっかりしていれば、銀
行に支援してもらえるチャンスは高くなる
ということです。
もし、銀行との関係がうまくいっていない
けれど、自分は会計が苦手という経営者の
方がいらっしゃれば、藤沢さんのような参
謀を会社に迎えることをお薦めします。
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