鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業計画書はなぜ作成されないのか

先日、中小企業診断士の上野光夫先生に、

私が制作しているポッドキャストにご出演

いただき、事業計画書についてお話いただ

きました。


(ご参考→ https://youtu.be/jGkfJ3DCGwE


上野先生は、ある中小企業経営者の方が、

事業計画書を作成し、半年ごとに従業員の

方とそれをブラッシュアップしながら事業

を改善している姿をみて、やはり事業計画

書を作成することは理想論ではなく、中小

企業においても必須のものであると確信し

たそうです。


そして、事業計画書を作成するメリットと

して、(1)社長の構想が社内に周知され

る、(2)事業の目的が明確になり、従業

員の士気の向上につながる、(3)事業計

画書の作成に、従業員にも参加してもらう

ことで、事業そのものへの参画意識も高ま

る、などを挙げておられます。


この上野先生のご指摘は、ほとんどの経営

者の方がご理解されると思うのですが、問

題は、事業計画書を作成している経営者は

珍しいということです。


なお、念のために書いておきますが、社長

の頭の中に、おおよその事業構想があると

いうだけでは、事業計画書を作成している

とは言えません。


きちんと明文化され、少なくとも3か月に

1回の頻度で、計画に対する実績の進捗度

合いを確認していなければ、事業計画書を

作成し、活用しているとは言えないでしょ

う。


話をもどして、多くの中小企業に事業計画

書が存在しない理由は、ひとつだけではあ

りませんが、その最大の理由は必要に迫ら

ないからでしょう。


上場会社の場合、株主総会のときに、きち

んと事業計画書を株主に対して提示しなけ

れば、引き続き出資してもらえるかどうか

の判断さえしてもらえなくなります。


でも、中小企業では、株主=経営者ですか

ら、そのような必要はなく、株主に代わる

役割を担っている銀行から、「こんごの売

上見込みを教えて欲しい」と言われたとき

に、ようやく将来の売上見込みを計算し出

すという会社が多いのでしょう。


ここからいきなり結論に飛びますが、事業

計画書がない会社は、風任せの成行で事業

活動をしているだけであり、芯がない状態

だということです。


仮に、経営者の方が、「自分は一国一城の

主」と思っているとしても、実態は外部に

依存的であり、受動的な事業活動しかでき

ないでしょう。


もちろん、事業計画書を作成していても、

外部環境の影響は受けますが、事業計画書

のない会社と比較すれば、ずっと能動的に

活動できると思います。


中小企業の経営者の方は、せっかく、独立

した会社のトップにいるわけですから、成

行の活動をしているのはもったいないと思

います。


それに、事業計画書を積極的に活用してい

る会社は、上野先生を感動させたように、

とても輝いて見えるはずです。

 

 

 

 

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