先日、日本経済新聞が、「先進国では、こ
れから『店舗中心』の銀行が減って行く」
という記事を載せていました。
(ご参考→ https://s.nikkei.com/2tu8fNm )
記事によれば、「米国の地域金融機関の6
割はアプリを持っていないために、大手の
ネットバンキングに預金者を奪われている
ことから、再編が進んでいるが、現在、日
本では、過剰な店舗の統廃合を目指す銀行
はあるものの、デジタル化への投資を目的
として再編に踏み切る例はほぼないため、
今後、米国のように、市場や顧客の評価を
得られない金融機関は淘汰が進む可能性が
ある」そうです。
私もこの記事の指摘は妥当だと思います。
かつて、銀行は、店舗数を増やすことが、
利益を増やすことになっていた時代があり
ました。
すなわち、店舗数を増やす→顧客数が増え
る→預金量・融資量が増える→利益が増え
る、ということになっていました。
しかし、人口減少時代に入った日本では、
店舗数を増やしても、顧客は増えず、した
がって利益も増えないことは明らかです。
逆に、前述の記事にもあるように、ネット
バンキングの利便性を高めなければ、利用
者から評価を得られないのであれば、これ
からの銀行は、店舗への投資よりも、情報
技術への投資に注力するようになることは
必然でしょう。
これまで、日本では、単に省力化という観
点から銀行の統廃合が議論されてきたと思
いますが、これからは利用者からの評価を
高めるために、店舗数が減少するというこ
とになるでしょう。
それでは、銀行から融資を受けている中小
企業は、これからはどうすればよいのかと
いうことになりますが、銀行との接触頻度
が減ることを前提に対策を講じることが必
要になると思います。
具体的には、「自社をじっくり見てよさを
理解してもらう」ということは期待できな
くなるので、なるべく、決算書を見ただけ
でよさをわかってもらえるようにするとい
うことを心がけることが必要でしょう。
※この記事はメールマガジンでも配信して
います。ぜひ、ご登録ください。→
http://yuushi-zaimu.net/conference/