経営コンサルタントの相馬一進さんが、ご
自身のブログで、「ナポレオン・ヒルとア
ンドリュー・カーネギーが関係があったと
いう話は嘘で、『思考は現実化する』とい
う本を売るために、創作したのではないか
と思われる」と書いておられました。
(ご参考→ https://bit.ly/35tTHL2 )
ちなみに、「思考は実現化する」は自己啓
発本として人気が高いようであり、相馬さ
んも、相馬さんの仮定が事実だとしても、
その本の価値に変わりはないと述べておら
れます。
私は、同書を読んだことはありませんが、
「思考は実現化する」ということは、松下
幸之助さんや稲盛和夫さんもおっしゃって
おられ、彼らは実際に大きな成功を収めて
おられることから、私もそれを信じていま
す。
では、相馬さんの仮定が事実であるとすれ
ば、なぜ、本が売れるようにするために
は、実際にないことをあったように書く必
要があるのかということに、私は注意しな
ければならないと思っています。
私自身もそうですが、人はサクセスストー
リーを求めがちです。
これも私は真偽を確かめられませんが、相
馬さんは、「ロバート・キヨサキさんの著
書、『金持ち父さん貧乏父さん』の、『金
持ち父さん』は実在しない人物」と述べて
おられますが、ある人の成功した事実が
あって、それを読者が知ろうとしていいる
のではなく、読者が欲しい結果を事実のよ
うに書いた本が売られているということは
本当なのかもしれません。
そして、このようなことは、実は、世の中
の多くのビジネスパーソンは、うすうす気
づきつつも、「自分もそういうサクセスス
トーリー通りの人生を送ってみたい」とい
う願望を持っているために、「成功本」の
主人公に自己投影をする目的で本を買って
いるのかもしれません。
問題なのは、ビジネスパーソンとしては、
創作された物語を読むだけで満足していて
は、単なる娯楽映画を観ているのと同じこ
とになってしまうということです。
端的に述べれば、これも当たり前なのです
が、他人のサクセスストーリーは参考には
なるけれど、自分のサクセスストーリーで
はないということです。
本などに書かれている他人のサクセスス
トーリーは、創作かもしれないという前提
で受け止めた上で、自分が実際にサクセス
ストーリーを作るという姿勢を持たなけれ
ば、「実業家」ではなく「虚業家」のまま
になってしまうと思います。
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