鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

地方銀行は役に立たない?

日経ビジネス2019年12月23日号

に、地元のIT系のスタートアップ会社へ

追加出資をしようとしたものの、その会社

から辞退された、地方銀行に関する記事が

ありました。


(ご参考→ https://bit.ly/2Qo6h8N


その記事には、出資を辞退された理由とし

て、「『経営に関する相談をしても、職員

はITに関する知識がほとんどないし、懇

親会に参加しても、役に立つネットワーク

を構築できなかったため、(銀行からの支

援の申し出は)正直お節介で時間の無駄と

感じた』と、自社にとって有益な投資家で

はないと判断された」と書かれています。


残念なことに、現在は、地方銀行が地元の

中小企業に対して、融資ではなく出資をす

る例はあまり多くないので、記事にあるよ

うな例も多くはないと思いますが、銀行に

対して力量不足を感じる会社があることも

事実だと思います。


その一方で、今後、地方銀行の収益基盤を

固めるための手法として重要と言われてい

る、いわゆる、リレーションシップバンキ

ングを進めていくには、このような銀行の

力量は重要でしょう。


しかしながら、現在の銀行は収益状況が悪

化しているため、その力量を高めようとし

ても、人材への投資を思うようにできなく

なりつつあると思います。


ですから、体力のある銀行とそうでない銀

行は、ますます、利用者からの評価に開き

が出てしまうでしょう。


ただ、もっと問題と思われることは、前述

の記事のような、経営相談に関する力量の

前に、融資審査の能力を持つ人材の育成

も、十分ではなくなりつつあるということ

です。


繰り返しになりますが、まだ地方銀行から

出資を受けている会社は少ないので、前述

の記事のような事例は珍しいと思います

が、融資の相談をしてもなかなか回答をし

てもらえないという不満を持つ銀行の利用

者は多いと思います。


これについても、人材育成の余力のある銀

行とそうでない銀行の差が、これからはさ

らに大きくなって行くことと思います。


したがって、中小企業がこれからも銀行か

ら円滑に融資を受けたいと考える場合、融

資を受ける銀行の選択も重要になってくる

ことになるでしょう。

 

 

 

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