鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

リレーションシップバンキング

先日、日本経済新聞が、金融庁の日下智晴

地域金融企画室長が宇都宮市で行った講演

について報道していました。


(ご参考→ https://s.nikkei.com/35Lg2EK


記事によれば、「地方銀行に関しては、地

域商社への出資など、地域活性化をにらん

規制緩和の動きが相次いでおり、地場産

品の販路拡大や、後継者不足の企業の支援

などで事業の幅が広がり、夢の広がる業種

になる、このリレーションシップバンキン

グは銀行職員の仕事のなかで圧倒的に面白

い仕事だと、(日下氏は)語った」そうで

す。


現在、金融庁は、今後の地方銀行のとるべ

き方針として、「リレーションシップバン

キング」を打ち出しており、日下氏が話し

た内容は、特に真新しいことではありませ

ん。


ただ、日下氏は、神戸大学を卒業後、平成

27年11月まで広島銀行に勤務していた

元「地銀マン」であり、地方銀行行政に関

して実態にそぐわないことは軽々しく述べ

ないであろうという面で、私は注目しまし

た。


私も、これからの地方銀行はどうすればよ

いのかというと、やはり、日下氏のいう通

りだと思っています。


地方銀行だからこそ得られる地域の会社の

情報は豊富にあり、それを有効な資源とし

て活用することは有効であると、私自身も

地銀マンだった経験から感じています。


もうひとつ、このリレーションシップバン

キングに関して、私が思い出すことがあり

ます。


私が銀行勤務時代には、よく、「地場の不

動産会社」社長から、いろいろな情報を教

えてもらっていました。


地場の不動産会社の経営者は、何代も前か

らその土地に住んでいる人が多く、地縁・

血縁で、地域の様々な情報を収集していま

す。


不動産会社でありながら、どちらかという

と地域の相談役のような役割を果たして、

難しい不動産売買についても話をまとめて

いることから、地域に密着して活躍してお

り、大手不動産会社も地域の開発に関して

は、地場不動産会社に頼っているという感

じでした。


すなわち、地方銀行のリレーションシップ

バンキングとは、地場不動産会社のように

なって、自らが集めた地域の情報を活かし

て収益に結び付けていくということだと、

私は考えています。


それでは、今後、地方銀行がリレーション

シップバンキングを進めて行く中で、中小

企業はどうすればよいのかというと、「こ

の会社は特徴のある面白い会社だ」と、銀

行から評価されるようになることだと思い

ます。


そのような会社には、銀行は積極的に融資

をするだけでなく、リレーションシップバ

ンキングの機能を発揮して、販売見込み先

を紹介するなどの支援を行うようになるで

しょう。

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20191221192755j:plain