鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

家を買う人が注意するべきこと

経営コンサルタントの相馬一進さんのブロ

グを読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/38EbEJi


記事の主旨は、「現在の日本の経済状況を

合理的に考えれば、持ち家よりも賃貸の方

がリスクが少ないが、未だに家を持ちたい

という日本人はたくさんいる。


この『持ち家』信仰は、食欲、性欲、睡眠

欲と同様に、人間の生理的な欲求だからで

あり、人間の原始的な本能というのは論理

では抗えない、圧倒的な力がある」という

ものです。


私も相馬さんと同じ考えです。


経済学のモデルでは、人は合理的な判断を

するという前提で学説が論じられることが

多いですが、実際は、必ずしも経済的な合

理性を前提に活動をしていないということ

は、私がここで述べるまでもありません。


人は、経済的に得をすることを追求して動

いておらず、いわゆる、「プライスレス」

なものも求めているので、家を持つことに

よって経済的な負担があるということがわ

かっていても、家を持つことで得られる満

足感、家族と家で過ごすという思い出作り

は、お金に変えられないものです。


したがって、私は、家を持ちたいと考えて

いる人を批判するつもりはまったくありま

せん。


ただ、私が銀行で働いていて、家を持ちた

いという方から住宅ローンなどのご相談を

受けたり、すでに、住宅ローンを利用して

家を手に入れた人からお話をきいて、感じ

ていることがあります。


それは、「こんなはずではなかった」とい

うことにならないよう、住宅ローンを利用

する前に冷静な判断をすることが望ましい

ということです。


もちろん、すべての人ではありませんが、

「マイホームを手に入れれば、幸せな暮ら

しができる」と思っていたのに、広い家を

購入するために、無理して高額の住宅ロー

ンを利用したため、住宅の購入後は、ロー

ン返済のために、遅くまで残業しなければ

ならなかったり、生活費を切り詰めたりす

るなど、想定していた通りにはならなかっ

たということを口にする人が、少なからず

いました。


私も、当時は、住宅ローン利用者の人とは

多く接する機会があったので、返済がたい

へんであるとか、中には、返済ができなく

なって、しぶしぶ家を手放さざるを得なく

なった人も見ているので、これから住宅を

購入しようとする人に対しては、返済後の

ことについても十分考慮することを助言し

ていました。


でも、住宅購入を検討する人の中には、目

先のことだけしか頭にない人もおり、そう

いった人が、あとになって住宅ローンの返

済に苦しむことになってしまうのだろうと

思いながら接していました。


念のために申し添えますと、無理して住宅

ローンを利用する方は少数派なので、多く

の方は冷静に判断して住宅ローンを利用し

ていました。


今回の記事の結論は、人は、必ずしも経済

的合理性を追及する必要はないものの、か

といって、経済的なことも考慮しないと、

経済的でない価値も手に入れられなくなる

ので、バランスの取れた判断をする必要が

があるということです。


ちなみに、慎重になりすぎて、一切の英断

を行わないという人生も面白くないと思い

ます。


すなわち、「中庸」が大切ということだと

思います。





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