鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業を継続する方程式

日経ビジネス2019年12月9日号に

載っていた、老舗の会社がどうやって事業

を継続してきたのかということについて調

査した記事を読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/34embYf


記事の中には、2年前に破産した、山梨県

の老舗のスーパーマーケットの元社長の、

小林久さんのご著書から、「『変化に対応

できる者が生き残る』、こんな言葉は何の

慰めにもなりません」という記述が引用さ

れていましたが、私は、この記述は、この

記事を書いた記者の考えを代弁しているも

のでもあると感じました。


というのも、この記事には、事業を継続さ

せるための法則として、「時代の環境変化

に対応する」、「伝統を守り抜く」のふた

つを挙げています。


そして、双方の法則に従って事業を運営し

てきた会社を調べた結果、それぞれに成功

した会社と、失敗した会社があると述べて

います。


さらに、100年後に存続する会社になる

ための法則として、「いまは市場はないが

100年後に売れる商品を提供する」と、

「いまも売れていて100年後も売れる商

品を提供する」のふたつを結論として示し

ています。


この結論だけを見れば、至極当たり前のこ

とと感じる人も多いと思います。


ある面で私もそう感じるのですが、普段か

ら中小企業の事業改善の支援に携わってい

る経験からは、この結論以外にはないとも

考えています。


すなわち、事業活動の結果は、100%見

通すことができないので、やってみないと

わからない要素も多いということです。


すなわち、ビジネスは、「強い者が勝つの

ではない、勝った者が強いのだ」という面

があると、私は(もちろん、私だけではな

いと思いますが)感じています。


だからといって、将来が見通すことができ

ないからという理由で、経営者の方が、い

い加減に事業活動に臨んでもよいというこ

とにはならないでしょう。


私は(これも私だけではないとは思います

が)、少なくとも、業績のよい会社と、そ

うでない会社の違いは明確に分かっていま

す。


これも簡単なことですが、その違いは、P

DCAを実践しているかどうかということ

です。


確かに、PDCAを実践してさえいれば、

100%倒産しないとは言い切ることもで

きませんが、倒産する確率はかなり低くな

るということも間違いないでしょう。


すなわち、事業活動の結果は見通すことは

できないものであるという前提で、その確

率を低くするための活動をすることも、経

営者の重要な役割であると、私は考えてい

ます。


よく、経営者の方から、「業績を向上させ

るためにはどうすればよいか」という質問

を、私は受けていますが、実は、正直なと

ころ、「それはわかりません」という回答

しかできません。


だからこそ、「いっしょに正解を見つける

ための活動をしましょう」という提案をす

るのですが、残念なことに、「コンサルタ

ントなのに、答えられないのはおかしい」

と受け止める経営者の方が少なからずいる

ことを、私は残念に感じています。





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