鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

1千兆円の国債

先日、税理士の大久保圭太さんが、ポッド

キャストで消費税についてお話されておら

れました。


(ご参考→ https://apple.co/2m0uJlg


その中で、消費税率の引き上げが必要とさ

れる理由に、日本の国債発行残高が約1千

兆円あり、それを返済するためと説明され

るものの、会計の論理が分かっている人で

あれば、債務があると聞けば、その債務に

見合う資産があると考えるはずだとお話さ

れておられました。


私も大久保さんと同じ考えなのですが、報

道機関なども、国債残高のGDPに対する

比率が日本は236%で、先進国でトップ

であるとか、国民1人あたりの借金が、約

871万円になるという報道をするため、

国債の残高をきいただけで不安になる方も

多いのかもしれません。


(ご参考→ https://bit.ly/2lZ4qfo


では、国の貸借対照表はどうなっているの

でしょうか?


財務省が作成した「国の財務書類」によれ

ば、平成30年3月の国の資産は約671

兆円ですが、負債は約1,239兆円で、

負債が約568兆円多い状態となっていま

す。


(ご参考→ https://bit.ly/2lXNvcZ


確かに、これだけを見れば、国の借金は早

く返した方がよいと考えてしまうかもしれ

ません。


でも、私は、これは実態を表していないと

思っています。


なぜなら、国を会社に置き換えて考えてみ

れば、資産より負債が2倍近くある会社に

融資をしたいと思う銀行は、まず、現れな

いでしょう。


でも、いま、日本国政府が発行する国債

金利がほぼ0%でも購入されています。


これは、日本国政府国債の信用力が高い

ことの裏付けであり、必ず国債は償還され

ると考えている人(機関投資家)ばかりだ

ということです。


したがって、国債を買っている人は、実態

は、日本国の資産は負債よりも多いと考え

ているはずです。


では、なぜ、日本国の資産は負債よりも多

いと考えられるのかというと、日本国民や

日本の会社はたくさんの資産を持っている

からでしょう。


もう少し具体的に書くと、日本国政府が発

行している国債のほとんどが、日本国民や

日本の会社が資産として持っているので、

実際にはそういうことにはならないと思い

ますが、日本国政府が、国債を持っている

人や会社に、その国債と同額の税金をかけ

れば、たちまち「国の借金」はなくなりま

す。


これは仮定の話ですが、日本の国債には資

産の裏付けがあるから、返済は確実だと考

えられているということです。


ここまでが前置きですが、本題は、借金が

問題になるのは、金額の多さではないとい

うことです。


例えば、「この会社は、約20兆円の有利

子負債(≒融資)を抱えている」ときいた

とき、その会社にどんな印象を持つでしょ

うか?


「ものすごく借金の多い会社だ」と感じる

人が多いかもしれませんが、実は、これは

トヨタ自動車のことです。


同社は、約20兆円の融資を受けています

が、総資産は約52兆円、純資産は約21

兆円あります。


(ご参考→ https://bit.ly/2lZ7wA2


ですから、もう少し融資を増やしても問題

ないと思います。


ケースバイケースですが、融資は、純資産

の2~3倍あっても問題はありません。


逆に言えば、融資を増やしたいと考えてい

る会社は、自己資本(=純資産)を増やせ

ばよい訳です。


自己資本比率が30%を切らなければ、銀

行から融資を断られることはあまりないで

しょう。


今回の記事の結論は、会社の貸借対照表

は、融資額はあまり問題にはならず、自己

資本比率が大切になるということです。


ちなみに、日本銀行貸借対照表はどう

なっているのかというと、平成31年3月

の資産は約557兆円、負債は約553兆

円で、わずかに資産が多いものの、ほぼ同

額です。


(ご参考→ https://bit.ly/2kWjrhM


もし、日本銀行が一般の会社であるとすれ

ば、危機的な状態だと思いますが、日本国

民で日本銀行が倒産すると思っている人は

ひとりもいません。


なぜでしょうか?


その答えは「宿題」とさせていただきたい

と思います。


答え合わせをしたい方は、こちらからどう

ぞ。→ http://yuushi-zaimu.net/contact/




※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

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●10月21日ランチ会兼勉強会のお知らせ

 

10月21日(月)12時00分から、東

京都千代田区秋葉原駅の近くのレストラ

ンで、少人数に限定して、昼食をとりなが

らの融資に関する勉強会を開きたいと思い

ます。

 


■日時:令和元年10月21日(月)

12時00分~14時00分


■会場:和食ダイニングまぐろ問屋十代目

彌左エ門 アトレ秋葉原2店

東京都千代田区神田花岡町1-9

アトレ秋葉原2 4階


JR秋葉原駅昭和通り口を出て、すぐ左側

にあるエレベーターで4階に上がってくだ

さい。


東京メトロ日比谷線をご利用の場合、秋葉

原駅3番出口を出ると、正面にエレベータ

ーが見えます。


地図→ https://bit.ly/2lV8tZO

 

■参加費:1,000円(消費税込み)

当日、会場でお申し受けします。


別途、お食事をご注文し、各自、ご精算く

ださい。


■その他:食事をオーダーするという条件

を満たしていただければ、遅れての参加、

中途での退室は可能です。当日は、ご参加

いただいた方からの質問もお受けします。


■参加申し込み方法:フェイスブックイベ

ントページで、「参加」ボタンを押してく

ださい。→

https://www.facebook.com/events/489330015247993/